
社長のひとりごと-2012年2月
関西電力の高浜原子力発電所3号機が定期検査のために発電を停止した記事が目についた今日の新聞。これで日本の商用原発54基のうち52基が停止したとのこと。残る2プラントも4月には検査入りのために発電を停止するそうです。
本当にこのような状態が続いて我国の電力需要を賄えるのでしょうか。枝野経産相は、「今夏の需要はまかなえる」と発言していますが、何の保証もありません。国民全体の節電意識は高まり、極力無駄な電気は使わないという意識は予想以上に高まりました。それなのに更なる節電を強いられるのでしょうか。また大口の需要家は、かなり厳しい使用制限が設けられるとの噂も出ています。更には料金の値上げもあります。
東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所の事故を契機に、日本の原発即時停止・脱原発依存の声が一気に高まりました。時の総理大臣の判断と方針決定は、あまりにも感情的としか写りませんでした。どれだけ原子力に対する知見をお持ちなのか判りませんが、世の中の空気や一部学者の意見を受け売りした机上論が先行ばかりしていたと、私には写りました。被災地域の住民には多大な犠牲と損害を与えて、いまでも多くの方が避難生活を余儀なくされている現実。これからでも本質的な議論と方針決定が強く求められています。しかも迅速なアクションが何よりも必要なのです。
定期検査後の再稼動は、一体だれが最終判断をするのでしょうか。原子力安全・保安院は「再稼動に問題ない」と結論を出しても一向に動く気配はありません。立地地域の自治体首長が同意しないと再稼動ができないことになっているとのこと。同意が必要なのか、それとも意見を尊重するのか、その点もはっきりしません。専門的な知見を持たない自治体もあるでしょうし、地域の住民は一体誰を信じればよいのでしょうか。政府が一刻も早く新たな安全指針・基準を明確に示して、広く丁寧に国民に知らせる義務があるはずです。
現状のままでは、日本は衰退するのみ、沈没もしかねない・・と、多くの国民が案じています。政府も事業会社もリスクに対する十分な対応をすることは言うまでもありませんが、具体的な方法論・裏づけなくしての「脱原発」は、国民が一層不幸になりますし、国益を損なうことになります。現に今もそうなりつつあります。 再生可能エネルギーの研究と導入を一層進めながら、国益にかなったエネルギー戦略が強く求められます。
難しい多くの国難を抱えている我国の舵取りは、民主党だけに任せておいては無理ではないでしょうか。与党も野党もいつまでも党利党略ばかりにとらわれず、叡智を結集して多くの難問解決に最大の努力を願うばかりです。
株式会社クレストコンサルティング 代表取締役社長 岩井 孝夫