「仕組み化」で仕事(ビジネス)が成功する理由

「仕組み化」で仕事(ビジネス)が成功する理由

「会社の成長をもっと加速させたい」
「継続的に売上を上げたい」
と思っている経営者や管理職の方も多いのではないでしょうか。

そのような方はぜひ、仕事の「仕組み化」を推進することをおすすめします。
仕組み化がうまくいけば業務効率化が実現し、ビジネスの成功につながるからです。

今回は、仕組み化について詳しく解説します。
仕組み化を行うことで享受できるメリットや、仕組み化を成功へと導く手順もご紹介しますので、興味のある方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

仕組み化が仕事のムダをなくす

「ムダな業務をなくして効率化を目指す」などと言われますが、どんなことが仕事における「ムダ」なのでしょうか。

例えば、仕事のムダの一つに会議が挙げられます。
「長時間に渡る会議であったにも関わらず、何も決まらなかった…。」
「業務を中断して参加したのに、ムダな時間だった…。」
なんて思ったことのある方もいることでしょう。

また、たくさん届くムダなメールにお困りの方もいると思います。
読むのにかなりの時間を費やしたにも関わらず、自分に関係のないメールばかりだった、といったことが頻繁にある方もいるのではないでしょうか。

このような仕事でのムダは、最適な手段や対策を選択していない時に生じます。
しかし、仕組み化を進めることで、仕事のムダをなくし、業務効率化を図ることができます。

仕組み化のメリット

ムダを省き業務効率化につながる以外にも、仕組み化にはさまざまなメリットがあります。
仕組み化を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。

個人の能力に依存しない

有能な社員の能力に頼り切ると、さまざまなデメリットが生じます。
例えば、業務がブラックボックス化してしまい、どのような過程を経て結果が出ているのか、担当している社員しか把握していない状態となるリスクがあります。

優秀な社員が一人で業務を担当している場合、病気やケガなどで急に勤務できなくなった場合、業務のフォローができません。

また、一部の社員のみが業務を理解している状態で、マニュアルがない場合は、うまく引継ぎができない可能性もあるでしょう。

仕事を仕組み化し、しっかりとしたマニュアルを作成しておくことで、個人の能力への依存や属人化により発生する問題を回避できます。

仕事を標準化できる

仕事を仕組み化してマニュアルを作成し、社内に公開しておけば、担当者が居なくても滞りなく業務を遂行できる体制に整えられます。

属人化による問題も起きにくくなり、生産性も高まるでしょう。
業務のやり方も統一されることから、品質が安定し、部署間連携の強化にもつながります。
さらに、業務を標準化することで、一部の社員に負荷がかかることもなくなり、みんなが働きやすい職場環境となります。

ミスを減らせる

人間は機械ではないので、「ミスをしないように」と口頭で伝えられても、なかなか改善できないことがあります。 そこで有効なのが、ミスを減らせる仕組み作りです。

例えば、自動返信メールの設定をしておくことで、顧客から送られてきたメールの見落としを防げます。

ミスを完全にゼロにすることは難しくても、仕組み化を取り入れることで、ミスを減らしたり、ミスやその原因を見つけやすい状態に整えたりすることができるのです。

新人の育成にも役立つ

しっかりとしたマニュアルや手順書を作っておけば、誰でも業務を遂行できますので、新入社員でもすぐに即戦力となるでしょう。

また、新入社員のために報連相(報告・連絡・相談)を仕組み化し、「〇〇の業務で困った時は、▲▲さんに相談」といったことを決めておけば、新人が相談しやすい環境が整います。

オンラインでの仕事の仕組み化も進めることで、テレワーク下での社員育成における問題の解決を図ることもできます。

仕事の改良・改善ができる

属人化している業務を仕組み化すれば、その業務を改善・改良しやすくなります。業務内容を「見える化」して、社員みんなで話し合いをすることで、一部の人たちの意見だけでなく、さまざまな人たちの意見を取り入れられるからです。

仕組み化を成功させるための4つのステップ

ここからは、仕組み化を成功させるための手順をご紹介します。
以下を参考にしながら、仕組み化に取り組んでみてください。

STEP01

業務の見える化

まずは、業務内容を「見える化」します。
誰がどんな手順で作業を行っているのかを明確にします。

その際、現場で働く社員からアンケート調査を実施するなどし、業務量、業務フロー、業務状況のほか、業務を行う際に各社員が見いだしたテクニックなども調べておきましょう。

次に、各業務を分類していきます。
先ほど属人化による業務は問題が生じると述べましたが、業務によっては属人的に行う方が良い場合もあります。
それぞれの業務を確認し、仕組み化すべきか否かを判断してください。

STEP02

標準化

業務を調査して分類が完了したら、標準化していきます。
見える化の作業で発見したさまざまな課題の解決を考えながら、仕組みを改善し、誰が取り組んでも同じような成果を出せる最適な方法を模索します。

標準化する時のポイントは、属人化している業務から手をつけることです。
また、何度も繰り返し行う作業に関しては、業務効率化を目指し、ツールの導入を検討してみましょう。

STEP03

マニュアル化

次に、標準化された業務のマニュアルを作ります。
仕組み化を行う上で、不可欠なのがこのマニュアル化の作業です。

マニュアルを作る時、大切なのが読み手のことを考えることです。
イラストや図解なども取り入れて、誰が読んでも理解しやすく、読めば他者に聞かなくても自分一人で作業ができるマニュアルを作成しましょう。

また、セルフチェックができるように、チェック項目や品質の基準もマニュアルに盛り込むことで、先輩や上司がチェックする時間や手間を省けます。

マニュアルを作る時は、まずは最低限の業務や手順を記載したものを作り、少しずつ付け足して完成させていくと良いでしょう。

ある程度マニュアルが完成したら、他部署や担当外の社員に確認してもらい、その人でも業務や作業手順が理解できるか、チェックしてもらうのがおすすめです。

STEP04

改良・改善

マニュアルが完成したら仕組み化は終わり、というわけではありません。
マニュアルがあってもうまくいかないことがあるので、問題なく業務が遂行できているか、定期的な確認が必要です。

仕組みの改善のため、アンケート調査やインタビューなどを行って、現場で働く社員の意見を聞くようにしましょう。
現場の声を検討し、意見を採用する際はマニュアルに反映していくという作業を繰り返すことで、常に最高の状態をキープできます。

仕組みを定期的に点検し、常に良い状態に保てるよう、改良・改善していきましょう。

組織にとって仕組み化が重要な理由

前述したとおり、属人化にはさまざまなデメリットがあります。

頼り切っているエース社員が突然退職する、といったことが起こると、組織が大きなリスクを背負わなければなりません。
したがって、仕組み化で属人化からの脱却を目指すことが重要です。

また、社員それぞれが我流で行っている業務を標準化し、誰が取り組んでも結果の出やすい、最適化された方法で仕事をすれば、業務品質の向上や利益の増加にもつながります。

仕組み化を推進すれば業務も効率化されるので、社員のワークライフバランスの実現や人手不足の解消にもつながるでしょう。

仕組み化に注力する大手企業

ここでは、仕組み化に力を入れている大手企業をいくつかご紹介します。

トヨタ

大手自動車メーカーのトヨタは、効率良くプロジェクトを管理できる、「カンバン方式」を誕生させました。
カンバン方式は、「必要なものを、必要なときに、必要な分だけ」作れる生産管理方法です。
今や世界中で、このカンバン方式が採用されています。

無印良品

無印良品では、なんと8,000種類以上ものマニュアルを作成しています。
マニュアルを作ってそのまま放置するのではなく、現場の意見に耳を傾けてメンテナンスを繰り返し、仕組みを改良し続けています。

マクドナルド

マクドナルドの成功の理由は、彼らが作ったマニュアルにあると言われています。
先輩がいなくても、新人だけでも業務内容が学べる優れたマニュアルがあり、アルバイト中心でも、誰が欠けても、お店が回る仕組み作りに成功しています。

このような大手企業の成功事例も参考にしながら、仕組み化を始めてみてはいかがでしょう。

仕組みが人を育て組織を育てる

仕組み化で仕事のムダをなくし、業務効率化を図れます。
また、優秀な社員に依存するといった属人化の問題を解決し、新入社員の育成にも役立つなど、仕組み化を行うことにはさまざまなメリットがあります。

仕組み化で最適化された業務手順のマニュアルを作っておけば、新入社員やアルバイトでも、スムーズに仕事ができるようになるでしょう。
良い仕組みが出来上がれば、売上アップにもつながります。

仕組みは社員を育て、会社をも育ててくれます。
ぜひこの記事を参考にしていただき、貴社でも仕組み化に取り組んでみてください。

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