企業がコロナ恐慌に負けないリモートワークマニュアル作成方法まとめ

企業がコロナ恐慌に負けないリモートワークマニュアル作成方法まとめ

2020年は、ほぼ1年通して新型コロナウィルスの猛威の中で様々な影響を受けることになりました。
飲食業や旅行業は大打撃を受け、一般的な企業も4月に出された緊急事態宣言の前後からリモートワークを取り入れるようになり、働き方そのものが大きく変わりました。

「コロナ恐慌」という言葉も囁かれるほど景気が大きく動き、これから先もどうなるか分からない五里霧中の状態が続いています。

第一波が過ぎ去り、緊急事態宣言による自粛ムードのおかげか、一時的に感染者数が減り、その頃から再び出社する会社員が増えました。
しかし、第二波がすぐにやってきて、その第二波が収まる間もなく第三波がやってきつつあります。

GoToトラベルやGoToイートの各キャンペーンも中止や打ち切りとなり、再び外出自粛を呼びかける声が上がりつつある中、再びリモートワークの需要が高まってきています。

企業の中には、4月の緊急事態宣言のタイミングから現在に至るまで、リモートワークを中心とした働き方にシフトチェンジした企業もあり、リモートワークを快適に進められるような環境が求められています。

本記事では、快適なリモートワークを実現するためのマニュアル作成方法をまとめました。
リモートワークを実施している企業の方も、これから導入しようという方も、是非最後までご覧ください。

リモートワークによってマニュアル作成需要が増えている理由

外出自粛が推奨され、リモートワークを取り入れる企業が増える中、リモートワークに対応したマニュアル作成の需要が増えています。
なぜ、マニュアルの作成が必要となっているのか、その理由をまとめました。

1.直接教え合うことができないから

同じ空間で働いていれば、上司から部下へ、先輩から後輩へ、あるいは業務内容を掌握している人から新しくその業務を始める人へ、と直接教えることができます。

しかし、リモートワークではそうはいきません。
基本的には自分ひとりで仕事をしなければならないため、何か新しい業務を始める際には自力でその業務について学習しなければならないのです。

もちろん、チャットやテレビ電話で先輩や上司などからレクチャーを受けることはできますが、それは次の項目で解説している理由によりかなりハードルが高いのです。

2.言葉だけだと教えづらい業務があるから

リモートワークであっても、チャットやテレビ電話などで上司や先輩から直接レクチャーを受けることが不可能ではありません。

しかし、メッセージの文面だけ、あるいは音声だけのレクチャーでは非常に分かりづらく、「ここ」と指す言葉だけでも、画面共有をしたり、画像を添付して送ったり、実際の職場ではただ指を指して見せれば良かったものに何倍もの労力を費やさなければならなくなります。

図説などもしっかりと掲載されているマニュアルがあれば、マニュアルをしっかり読み込み、人からのレクチャーが無くても自分で業務について学習することができます。

3.品質管理のセルフチェックができるから

職場内で共に仕事をしていれば、ちょっとしたことはすぐに確認できますし、こまめに進捗状況や品質などについてもチェックしながら進めていくことができます。
しかし、リモートワークでは、この「こまめに」という部分が非常にやりづらくなります。

「今ちょっといいですか?」
と声をかけたいシーンでは、職場にいれば、様子を伺いながら手が空いていそうなタイミングで声をかけられますが、リモートワークでは、それが分からないため声をかけることがおっくうになります。

すると、「まぁ…これでいっか」といった具合で品質管理がきちんとできていない状態で業務を進めてしまうというリスクがあるのです。
マニュアルに、品質チェックができるような項目がきちんと示されていれば、セルフチェックができるため、品質をキープしたままスムーズに業務を進めることができるようになります。

総務省もリモートワークの導入手順書を発行

コロナ渦において、企業のリモートワークを推奨するために、総務省もリモートワークの導入に関する手順書を発行しています。

リモートワークの導入プロセスや、セキュリティ対策について、具体的なツールについて、など非常に細かくまとめてありますので、是非参考にしてみてください。
参考:https://www.soumu.go.jp/main_content/000668432.pdf

リモートワークマニュアルのメリット

リモートワークをスムーズに進めるためには、いちいちマニュアルを作らなければならないのか…と思い、それは面倒だからやっぱり出社ベースで良いのでは…?と考えてしまうこともあるでしょう。

しかし、リモートワークには様々なメリットがあります。
それは、コロナ渦におけるソーシャルディスタンスの確保や感染リスクの軽減といった各メリットだけでなく、新型コロナウィルスの脅威が収まってからも注目したいメリットです。

メリット1.社員の交通費やオフィス維持費などのコスト削減

リモートワークは基本的に自宅で仕事をするため、社員の交通費を会社が負担する必要が無くなります。
日本の交通費はかなり高額ですので、社員一人あたりにかかる年間交通費はかなりの高額となります。それが丸々カットできるのは会社にとっては非常に大きなメリットです。

また、好きな場所に住んで良いという意味では、住宅手当を出す必要も無くなると言えます。
よくあるのが、会社から一定の距離内にある場所で家を借りれば住宅手当を支給する…というものですが、出社する必要がなければ、このような制度を実施する必要はなくなります。

また、そもそも出社が不要になるということは、極論オフィスも不要になるということです。
もちろん、中には直接対面で進めなければならないような業務もありますので、オフィスは置いておくとしても、全社員分のデスクは必要ないのです。

オフィスで必要になる備品の数々や、インクや紙などの消耗品もかなり減らすことができるため、結果的にリモートワークは会社の運営コストを劇的に下げることに貢献すると言えるでしょう。

メリット2.多種多様な人材確保の実現・様々な働き方の実現

出社する必要がないリモートワークでは、様々な理由により出社できない人も働くことができます。
例えば、介護や育児によって家から出られないという方も、リモートワークならば社員として働くことができるのです。また、結婚や家庭の事情などにより遠方に引っ越してしまうという方であっても、リモートワークならばそんなことは全く関係ありません。

これは、会社にとっては、優秀な人材を確保すること、多種多様な人材を確保しバラエティ豊かな働き手と共にリベラルな働き方を実現することというメリットとなります。
働き手にとっては、育児や介護などによりキャリアを諦めてしまう…という人の救済措置となり、自宅にいながらにして、無理の無い範囲で働き続けることを実現できます。
遠方に引っ越してしまっても、家庭の事情で出社できなくなってしまっても、スキルをいかんなく発揮し社会貢献できるという意味では、リモートワークは会社にとっても、働く人々にとっても、双方にメリットをもたらすものと言えます。

メリット3.災害や疫病などの非常事態にもすぐに対応可能

今回のコロナウィルス騒動もそうですが、日本は非常に自然災害の多い国です。
地震、台風、津波など毎年必ず何かしらの自然災害に見舞われ、その度に大きな影響を受けます。
リモートワークの体制が整っていれば、こういった自然災害が起きた時にも自宅で働くことができるため、生産性を落とさずに、社員たちの命を危険にさらすこともなく、業務を進めることができます。

また、新型コロナウィルスのように世界的に猛威をふるう疫病がいつ流行らないとも言えません。今リモートワーク体制を整えておくことにより、再び世界が未曽有の危機に陥った時にも、その中で企業として生き残ることができるようになります。

リモートワークマニュアルのお悩み

ただ、リモートワークにはメリットだけがあるわけではなく、マニュアル作成が必要となるような、様々な「お悩み」がつきものです。
まず、各「お悩み」を整理してまとめ、その後でそれぞれのお悩みを解決できるようなマニュアル作成方法をまとめていきます。

お悩み1.業務が属人化してしまっている

「属人化」とは、「人に属す」つまり「人に頼ってしまっている」という意味です。 要するに、業務が「人ありき」となっていることにより、ある業務については、その業務について知っている人が自分なりのやり方で業務を進めてしまっている…という点がリモートワークのお悩みとなります。

例えば、一人しかできない業務がある場合は、完全にその人だけがやり方や進め方を把握しているだけで、他の人は何も知らない…という最悪な状態ですし、複数の人ができる業務であっても、きちんとしたマニュアルが無ければ各自がそれぞれ自分のやりやすい方法で進めてしまっている…というこれまた非常によろしくない状態です。
出社して業務にあたっている場合は、直接確認しながら進めていけますが、リモートワークではそうはいきません。

お悩み2.上司にチェックしてもらわないと先に進めない

業務を進める上で、上司のチェックは重要ですが、これがリモートワークになると、上司の都合を伺うのが非常に難しくなります。
会社にいれば、その場で「これ確認してください」と成果物を渡してチェックしてもらえますが、リモートワークの場合はチャットなどで「こちら、ご確認ください」と投げたものがいつまでたっても返ってこない…ということになりがちです。
上司も暇ではないので、テレビ会議があったり、他の業務にあたっていたりすると、チェックしなければならないものは後回しになってしまったり、そもそも見落とされてしまっている可能性もあります。
チェックを待っているうちに、その日が終わってしまい、業務がちっとも進まない…というストレスを感じることになります。

お悩み3.分からないことをすぐに聞けない

これについても、前述の通りですが、同じ職場という空間にいれば「あ、今少し時間取ってもらえそうだな」というのが見て分かりますが、今忙しいのかどうなのかというのが直接見えないリモートワークでは、分からないことを気軽に聞くことが憚られます。
こういった際に、マニュアルを見て解決できれば良いのですが、マニュアルが無いと「どうしよう…」と悩むだけで時間が過ぎてしまいます。

お悩み4.その場でチェックができず品質のばらつきが出てしまう

その場その場で成果物のチェックをしてもらえれば良いのですが、リモートワークではそれが難しいため、どうしても品質のばらつきが出てしまいます。

お悩み5.属人化した業務で引き継ぎができていない

これは「1」にも共通するものですが、結局のところ、リモートワークのネックとなるのがこの「属人化」なのです。 属人化してしまっている業務は、きちんと引継ぎができないため、リモートワークで自分がその業務を任されたとしても、どうやったら良いか全く分かりません。

仮に、その業務を担っていた人が辞めてしまっていたとしたら、事態は最悪です。 辞めていなかったとしても、リモートでレクチャーを受けるのはとてもハードルが高いため、時間も手間もかかってしまいます。

リモートワークの様々なお悩みをマニュアルで解消!マニュアル作成方法まとめ

ここからは、いよいよリモートワークのマニュアル作成方法のまとめとなります。 リモートワークにつきものの、様々な「お悩み」を解決できるマニュアル作成方法の記事をまとめていますので、必要に応じて詳細をご覧ください。

お悩み1.業務が属人化してしまっている

まずは、属人化によりスムーズな業務に支障が出てしまうという現象を解決するために、マニュアルのメリットや、マニュアルの種類などについて、理解しましょう。
参考:日々の仕事(業務)を「マニュアル化」するメリットとは?

https://www.crest-con.co.jp/blog/1814/

お悩み2.上司にチェックしてもらわないと先に進めない

「上司にチェックしてもらわないと先に進めない」というお悩みを解決できるマニュアル作成のコツや、マニュアル作成の手順をまとめた記事です。
「完全保存版」とあるように、マニュアル作成に必要な要素が全てまとめられているので、是非チェックしてみてください。

参考:【完全保存版】マニュアル作成のまとめ
https://www.crest-con.co.jp/blog/1745/

お悩み3.分からないことをすぐに聞けない

「分からないことをすぐに聞けない」社員の多くは、新入社員です。
会社に慣れて、仲の良い同僚や上司、先輩などがいれば、気軽にチャットなどして聞くことができますが、新人はなかなかそういうわけにはいきません。
特に新人教育において大切になってくるポイントをまとめた記事をご紹介いたしますので、これらの要点を抑えてマニュアル作成にあたってください。

参考:新人教育マニュアルを作る上で絶対に外せないポイントと意外と忘れがちな大切なポイント
https://www.crest-con.co.jp/blog/1062/

お悩み4.その場でチェックができず品質のばらつきがでてしまう

その場でチェックができないお悩みは、セルフチェックができるようなマニュアルを作って解決しましょう。
研修テキストの作り方のコツをまとめた記事で、チェックリストを入れることの大切さを述べていますので、読んでみてください。

参考:理解しやすい研修テキストの作り方のコツ
https://www.crest-con.co.jp/blog/1511/

お悩み5.属人化した業務で引き継ぎができていない

「引継ぎがきちんとできていない」というお悩みを解決するための、引継ぎ用マニュアル作成のポイントをまとめた記事をご紹介いたします。
必ず盛り込むべき項目がまとめられているため、是非参考にしてください。

参考:引継ぎ用のマニュアルに必ず入れておきたい内容
https://www.crest-con.co.jp/blog/1304/

マニュアル作成で失敗しないために

ここまで、様々なマニュアル作成方法についてご紹介してきましたが、最後に、マニュアル作成で失敗しないために是非参考にしていただきたい記事をご紹介いたします。
マニュアル作成でよく聞かれるお悩みや、失敗などを6事例まとめていますので、こちらを読んで事前にどのような点に気を付けて作成すべきか頭に入れておきましょう。

参考:マニュアル作成のよくあるお悩み・失敗や課題と解決策6選
https://www.crest-con.co.jp/blog/1711/

クレストコンサルティングではマニュアル整備のための基本計画作りからご支援いたします

クレストコンサルティングは、マニュアル作成のプロフェッショナルです。
マニュアルなんて自分たちで作れるんじゃないの?と思われる方が多いのですが、実はマニュアル作成にはいくつものコツと、プロにしかできない専門的な技術が必要になります。

企業によって、また業務によって、マニュアルの内容は全く異なるものになります。
テンプレートもあるにはありますが、それぞれのマニュアルに合わせてかなり変えていかなければなりません。

そのため、リモートワークのためのマニュアルを作成する際には、是非プロである弊社にご相談いただければ幸いです。
ご相談は無料ですのでお気軽にお問い合わせください。

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