日々の仕事(業務)を「マニュアル化」するメリットとは?

いつも同じことを教えている気がする……
ちゃんと教えたつもりなのに新人がよくミスをする……
教える人によって作業の仕方が若干異なって混乱する……
各々が我流で業務にあたるから品質がバラバラ……

そんな悩みを解決してくれるのがマニュアルです。

日々の仕事の一連の流れのことを「業務」と言いますが、この業務の進め方や具体的な作業内容、品質の基準や守るべきルールなどをまとめて記したものをマニュアルと言います。

今回は、日々の仕事をマニュアル化することについて、詳しく解説していきます。
マニュアル化の何たるかから、メリット・デメリットまで、見ていきましょう。

マニュアル化とは

マニュアル化とは、日々の仕事(業務)を仕組み化して紙や冊子、動画などのデータにまとめたものです。
ひとつの業務をおこなうのに必要な作業や知識、ルール、品質の基準などを分かりやすくまとめて、そのマニュアルを読めば誰でも同じクオリティで業務がこなせるようになるという内容を目指して作成されます。

マニュアル化する意味・効果

業務をマニュアル化する意味や効果にはどのようなものがあるのでしょうか。
下記にまとめてみました。

複数の職員が同じ業務にあたる際の品質の均一化

同じ手順で同じ作業をおこない、更にチェックリストなどで品質の基準をクリアできているかどうか確認できるような仕組みをマニュアル内に作ることにより、業務を「誰がやっても同じ品質」でおこなえるようにします。

新人教育を始めとする様々なレクチャーの内容の統一化

誰がレクチャーをおこなっても同じ内容になるように、新人教育などの様々なレクチャーをマニュアルを用いておこなうことで、人によってレクチャー内容や品質基準が異なったり、勘違いや漏れがあったり、というリスクを避けられます。

業務全体の流れや仕組みの理解促進

業務マニュアルに、作業手順だけではなく、業務の全体像がつかめるようなフローを記しておくことにより、業務の流れや仕組みを俯瞰的に理解することができます。
目の前の作業を教えられるだけでは分からない部分までしっかりと掌握することにより、自分の仕事が業務全体の中でどの部分を担っているのか理解して作業を進められます。

企業理念の浸透をはじめとする職員としての自覚をもたせる

マニュアルには、企業理念や社長の想い、業務において何が大切か、どのようなことを考えて行動すべきか、といった点も記載することができます。
会社の「想い」や「理念」をしっかりと伝えることにより、職員ひとりひとりが自覚をもち業務にあたることができるようになります。

マニュアルの種類

マニュアルには、様々な種類があります。
そもそも、マニュアルとは一体何なのかというと、その語源は「手に持った本」というもので、ハンドブックとも呼ばれます。

ここでは「日々の仕事(業務)」にフォーカスしてマニュアル化の解説をしていますが、いわゆる電化製品の取扱説明書もマニュアルに分類されます。

何か特定のものについての説明をまとめた文書のことをマニュアルと呼ぶ、と理解するのが良いでしょう。
そうなるとマニュアルの種類は膨大です。
実際のところ、マニュアルの種類は無数にあり、企業内で「〇〇マニュアル」という名前をつけて運用していることが多いです。

ここでは、そんな無数にあるマニュアルの中でも比較的多く見られるマニュアルを少しだけご紹介いたします。

新人研修マニュアル

新入社員や、新人アルバイトの研修で活用するマニュアルです。
新しく企業組織に入ってきた人物全員に共通してレクチャーすべき内容がまとめられています。ここに企業理念や社長からのメッセージも盛り込むことにより、組織の一員として働く自覚をもたせることができます。
勤怠管理のルールや、就業規則などについても触れるページを設けることで、働き方の共通認識をはかることもできます。

業務マニュアル(オペレーションマニュアル・手順書・作業マニュアル)

業務マニュアルは、オペレーションマニュアル、手順書、作業マニュアルなど、様々な名前で呼ばれますが、実際の業務(作業)の進め方について細かく記したものです。
業務全体のフローを記したものを「業務マニュアル」とし、それぞれの工程や作業の具体的な動作手順について記したものを「手順書」として、分けて活用する事例もあります。

接客マニュアル

接客業における接客のマニュアルです。顧客にかける言葉(「いらっしゃいませ」などの基本的な挨拶から始まり、シーン毎に定められた言葉をレクチャーします)、接客の流れ、気を付けるべき点などをまとめたものです。
クレーム対応についても記載しておくと、不測の事態にどのような対応をすべきかすぐに分かります。

危機管理マニュアル

大地震などの大型自然災害、インフルエンザの流行など、気を付けているだけでは避けられない不測の事態に対して、どのように対処するかといったガイドラインを示したマニュアルです。
ただ、あまりにもこのマニュアルに縛られすぎると臨機応変な対応が取れなくなるというデメリットもあるため、あくまでもガイドラインとして、基本的には状況に合わせて臨機応変に対応できるよう自由度をもたせておくのが良いとされています。

マニュアル化に向く業務・向かない業務

日々おこなう様々な業務の中には、マニュアル化をした方が良い業務もあれば、マニュアル化が向かない業務もあります。
どのような業務がマニュアル化に向いているのでしょうか。

マニュアル化に向く業務

マニュアル化に向く業務は、いつどこで誰が業務にあたっても同じ作業が発生する業務です。レクチャーする際に同じ内容を伝えるような類の業務はマニュアル化をすることによって、作業品質の均一化や、レクチャーの効率化をはかることができます。
また、ガイドラインを定めておくことにより判断基準が明確になるようなチェックポイントもマニュアル化に向いています。

マニュアル化に向かない業務

ケースバイケースで、業務にあたる本人が自分で考えて行動しなければならないような業務はマニュアル化に向きません。
クレーム対応などが、この例となります。マニュアル通りの対応しかしないと「マニュアル通りの対応か!」と火に油を注ぐようにクレーマーの怒りを増長し、「融通がきかない」「こちらの話を全く聞いていない」など更なるクレームに発展してしまいかねません。
しかし、クレーム対応のようにマニュアル化に向かない業務であっても、対応のコツや押さえておくべき点をまとめたマニュアルを作成することは非常に有効です。ただしマニュアル通りに対応することを促すのではなく「自分自身で考えて臨機応変に対応すること」という指針を示すことが重要です。

マニュアル化のメリットとデメリット

業務をマニュアル化するメリット、そしてデメリットについてまとめてみました。
それぞれ詳細に解説しているため、特にデメリットの方は改善方法も参考にしてみてください。

メリット

レクチャー時間や作業確認時間が短縮できる

マニュアルの流れに沿ってレクチャーをおこなったり、作業を確認したりすることにより、調べたり上司に確認したり自分であれこれ試したりする時間をカットできます。
また、新人研修などに関しては、自宅でマニュアルを熟読してくるよう指示することにより、研修時間そのものを短縮させることができます。

人件費などレクチャーにかかるコストをカットできる

マニュアルが無ければ、それだけ人から人へレクチャーしなければならない時間が増えます。その間に発生する人件費はバカになりません。
マニュアルを活用することにより、人件費をはじめとする様々なコストをカットすることができます。

誰が業務をおこなっても同じ品質が保たれる

マニュアルに品質の基準を明記し、その基準が満たされているかどうかのチェックリストも設けることにより、誰が業務をおこなっても同じ品質になるよう均一化をはかることができます。
必要な手順や、気を付けなければならない点なども記載しておくことにより、ミスや抜けを防止する効果もあります。

突然担当者が辞めたり休んだりしてもピンチヒッターがすぐに業務に入れる

この作業はあの人しかできない、あの人しか知らない、という状態のまま業務をたった一人の職員が受け持つことは非常にリスキーです。
その職員が突然辞職してしまった際に誰も業務について分からないという事態となるためです。また、突然辞めるということが無かったとしても、急病や怪我、その他やむを得ない事情で仕事を休んだり辞めたりしなければならない事態に陥ることも考えられます。
そんな時にマニュアルがあれば、ピンチヒッターで入った人もどうにか作業を進めることができます。

引き継ぎがスムーズにできる

ある業務の担当者が辞職したり、他部署に異動となったりした際に、引き継ぎがおこなわれます。この引き継ぎで役に立つのがマニュアルです。
マニュアルに沿って引き継ぎをおこなうことにより、最小限の時間でスムーズに引き継ぎできます。
また、引き継ぎ後も不明点や曖昧な点などはマニュアルを確認して解決できるのもメリットと言えます。

業務内容を透明化して客観的に分析できる

この業務になぜこんなに時間がかかっているんだろう……
どうしてこの工程ではミスが絶えないんだろう……
このような改善点を見直すのにもマニュアルは役立ちます。客観的に業務を分析することにより、問題点や改善点を洗い出し、無駄な作業をカットしたり気を付けなければならない点をピックアップして職員に注意喚起したりすることができます。

デメリット

自分で考えて行動できないマニュアル人間を育成してしまうリスクを伴う

よく「マニュアル人間」という言葉が悪い意味で使われることがありますが、マニュアル通りにしか動けないと、このように批判されてしまいます。
マニュアルを用いて業務にあたることにより、マニュアルに書いてあることしかできず、自分で考えて行動できない人員を育成してしまうリスクがあることがマニュアルの最大のデメリットです。
この「マニュアル人間」を作り出さないためにできることは、マニュアルそのものに「臨機応変に対応すること」という文言を入れたり、自分で考えて行動してほしい部分はあえて細かく作業について記載することを避けたり、「不明点は上司に確認すること」など直接指導を受けることを促したりすることです。

マニュアル通りに作業することが目的となりがち

業務そのものの目的や意味ではなく、マニュアルに書かれたことをこなすことそのものが目的となってしまうリスクもあります。
この場合は、マニュアルの冒頭などに、業務の意味や目的についてしっかりと記載しておくことが大切です。また、チェックリストや確認事項に、業務の意味や目的をしっかりと理解しているかどうかという項目を設けることも良いでしょう。

本人の創意工夫や発想力などを削いでしまう

マニュアル通りに業務(作業)をおこなっていれば間違いないという思いから、自分自身で工夫して効率化をはかったり、新しい発想でより良い仕事をしたりするという意欲が削がれてしまうリスクもあります。
これを回避するためには、定期的にマニュアルの見直しをおこない、その度に実際に業務にあたっている本人から意見を吸い上げることが大切です。マニュアルについて改善点や不満などはないか、と問う事により、マニュアルの範疇を超えて自分で考えることにつながります。

まとめ

日々の仕事(業務)のマニュアル化について、解説して参りました。
マニュアルにはメリットもデメリットもありますが、デメリットのリスクを回避する方法も解説しましたので、参考にしていただき、上手にマニュアルを活用していただければ幸いです。

マニュアル作りには時間と手間がかかります。良いマニュアルを作るためには、技術も必要です。
折角作ったマニュアルが使い物にならなかったという残念な事態を避けるためにも、マニュアル作りはマニュアル作成のプロ集団である外部業者に頼るというのもひとつの手です。

これからマニュアル作りを検討している方は、ぜひクレストコンサルティングにご相談ください。

マニュアル作成費用は内容などにより異なります。お気軽にお問い合わせください。