【2025年最新版】完全保存版・マニュアル作成のまとめ

【2025年最新版】完全保存版・マニュアル作成のまとめ

マニュアルは、仕事や作業、操作などの手順を標準化、体系化してまとめたもので、業務の効率化や統一化を進めていく上で不可欠なツールです。
マニュアル作成にはコツや手順があります。マニュアルを作る際は、以下のマニュアル作成のまとめをぜひ参考にしてみてください。

マニュアルの種類

マニュアルにはさまざまな種類がありますが、ざっくり分けると、仕事内容についての「業務マニュアル」と、取扱説明書のような「操作マニュアル」があります。
それぞれの内容やメリットは以下のとおりです。

業務マニュアル

業務マニュアルは、仕事の目的、流れ、手順、注意点などをまとめたマニュアルです。
スタッフの作業マニュアルや、新人研修マニュアルなどがこれに該当します。

例えば、飲食チェーン店スタッフ向けのマニュアルであれば、接客手順、調理手順、衛生管理、決済手順などを網羅した内容になります。
このようなマニュアルの役割は、どのスタッフでも同じクオリティで「それぞれのやり方」ではなく「皆同じやり方」で仕事をこなせるようにすることです。これにより顧客へのサービス品質を統一でき、チェーン店としてのブランド力を上げていく(または評判を落とさない)ことができます。

新人研修用のマニュアルであれば、会社の理念や方針を理解させる目的で活用することが多いため、具体的な業務内容よりも仕事の全体像や会社そのものに重点を置いたマニュアルを作ることもあります。
業務マニュアルを作る意義は、「仕事および仕事への意識の標準化・統一化」となります。

業務マニュアルを作成・活用するメリット

  • 誰がやっても同じやり方になる
  • 仕事のクオリティの統一化を目指せる
  • 仕事の教え方を統一できる
  • ミスを減らしトラブルを回避できる
  • 会社の方針や理念の理解を深められる

操作マニュアル

操作マニュアルは、その名の通り「操作する」ためのマニュアルです。 家電の取扱説明書や、パソコン操作のマニュアルなどが該当します。

操作方法はもちろん、取り扱う上での注意事項や禁止事項、故障が疑われる際の対処方法など、ツールを使う上で必要な情報を漏れなく掲載しなくてはなりません。操作マニュアルは、利用者からの問い合わせを減らし、事故や故障を回避するのに役立ちますが、手順の抜けや誤りは事故につながりかねないため、慎重にマニュアルを作成する必要があります。

操作マニュアルを作成・活用するメリット

  • 見ながら操作方法が分かる
  • 安全に使うための注意点が分かる
  • 故障が疑われた時もマニュアルで解決できる可能性がある
  • メーカーへの問い合わせ件数を減らせる
  • トラブル発生時の責任範囲を明確にできる

マニュアルの形式

マニュアルの形式には、紙、PDF、WEBなどさまざまな形式があります。それぞれの違いやメリットとデメリットは以下のとおりです。

紙マニュアル

Office系ツール、DTPソフトで作り、プリントアウトして使います。ファイリングしたり、1枚でラミネート加工したり、用途に合わせて出力します。研修テキストや、デバイスを持ち込めない環境で使われることが多いようです。

メリット

  • 特別なツールなしで作れる
  • 書き込みができる
  • ネット環境、閲覧デバイスがなくても使える

デメリット

  • ページ数が増えるにつれ持ち運びにくくなる
  • 印刷コストがかかる
  • リンク参照・検索ができない(目次・索引を使う)
  • 版管理がしにくい(旧版を使える可能性あり)

電子マニュアル

PDF形式や電子書籍タイプのマニュアルで、パソコンやスマートフォン、タブレットなどで閲覧できるものが該当します。紙マニュアル用のデータをPDF形式にしたものも電子マニュアルになります。

メリット

  • 印刷コストがかからない
  • 更新が簡単・即時反映できる
  • デバイスがあれば使える
  • 検索しやすい

デメリット

  • 閲覧用のデバイス、ツールが必要
  • 元データ消失のリスクがある
  • 他の形式に比べ情報流出リスクが高い(対策が必要)

WEBマニュアル

クラウド環境で作成・閲覧するマニュアルです。マニュアル作成ツールを使うと、プログラミング不要で比較的簡単に作ることができます。

メリット

  • 複数人で同時編集できる
  • 更新が即時反映できる
  • リンクや検索で探しやすい
  • アクセス制限など管理しやすい

デメリット

  • オフラインで使えない
  • 維持管理費用がかかる
  • 印刷に不向き

動画マニュアル

マニュアルをすべて動画にしたものや、PDFやWEBマニュアルに動画を埋め込んだタイプも増えています。
特に操作マニュアルでは、この動画タイプのマニュアルがとても便利です。操作手順や道具の使い方などを実演動作で見せることで理解を促すことができます。
業務マニュアルでも、例えば接客時の話し方など、音声情報があるとイメージしやすいものは動画マニュアルを活用することで、接客クオリティの向上を目指しやすくなります。

メリット

  • 文字で説明しにくい事柄を説明できる
  • 動きや音を伝えることができる

デメリット

  • 作成に時間と手間がかかる
  • 検索して必要な情報を抽出することができない
  • 更新しにくい

マニュアル作成の10のコツ

マニュアルを作成する上で押さえておきたいコツを10個にまとめました。すべてのマニュアルに当てはまらないものもありますが、できることから取り入れてみてください。

コツ1:読み手のことを考える

まず、読み手を想定します。新卒の新入社員が対象の場合は、会社のことや業務のことを何も知らないという前提でマニュアルを作らなければなりませんし、中堅社員のステップアップのための研修マニュアルであれば、当たり前に知っている事項は省いても良いでしょう。また、玩具の取扱説明書であれば読み手は子どもになる可能性もあるため漢字に読み仮名をふる必要があるかもしれませんし、平易な言葉を使った方が良いでしょう。
このように誰が対象になるかによって、マニュアルの内容や文体などが変わります。まず、読み手がどのような人物なのか想定し、読み手のことを考えることからマニュアル作成は始まります。

コツ2:「誰が読んでも理解できる」を目指す

マニュアルは、基本的には誰が読んでも理解できる内容である必要があります。特に操作マニュアルに関しては、誰が読んでも正しく操作できるようにしなければなりません。
業務マニュアルに関しては、中堅社員を対象としたマニュアルであればある程度既知の事柄については省いても問題ありませんが、新入社員研修用のマニュアルや、スタッフ用のマニュアルであれば、経歴や年齢に関係なく誰もが理解できる内容にする必要があります。
専門的な言葉が登場する場合はその言葉の説明を掲載するなどの配慮も忘れずに。

コツ3:文体を使い分ける

文体は基本的に「~です、~ます」の敬体をベースとするのが良いでしょう。「~だ、~である、命令調」の常体だと堅苦しく上から目線の印象を与えてしまうからです。
ただし、厳禁事項などの注意を引きたい箇所については、常体を効果的に取り入れることでメリハリのあるマニュアルとなります。
「絶対やるな!3つの厳禁行為」など、タイトルに常体を用いると言葉の強さが生かされます。

コツ4:文字サイズや色を効果的に使い分ける

タイトルは大きい文字や太字にしたり、目を引きたい箇所はフォントを変えたり、重要なポイントは赤く色をつけたり、視覚的効果を狙って見やすく分かりやすいマニュアル作りを心がけましょう。
意味も無く文字の大きさを変えたり、色を多く使いすぎたりすると逆効果となるので、バランスが大切です。

コツ5:図解やイラストを入れる

必要に応じて図解、図説、イラストや写真などを取り入れて視覚に訴えましょう。
操作の仕方や、道具の使い方、制服の着用方法、接客の姿勢や動作の確認など、図があった方が分かりやすいものは図を載せましょう。
図が必要無いマニュアルであっても、関連するようなイラストや写真を載せることで読みやすくなるため、イラストの挿入は効果があります。

コツ6:ゴール(目標・目的)を明示する

なんのためにマニュアルを作成するのか、マニュアルを読む事によって読み手にどうなってもらいたいのか、その目標や目的を明示します。
例えば、飲食店のアルバイトのマニュアルであれば、接客や調理、衛生管理、シフト調整など、アルバイトとして働く上で必要な知識の習得と仕事を理解し実際に業務ができるようになることがゴールになります。
ゲームの操作マニュアルであれば、そのゲームを正しく楽しくプレイできることがゴールになります。

コツ7:チェックリストやミニテストで到達度を見える化する

定めたテーマのゴールに読み手が到達したかどうか、チェックリストやミニテストを載せておくことで、読み手が自身で到達度を確認することができます。
マニュアルを読む中で漏れが無いかどうか、誤って理解しているところが無いかどうかというチェックもでき、大変有効です。

コツ8:ノウハウやコツ、コラムを載せる

ちょっとしたコツやノウハウなどを紹介する枠を設けて、読み手が気軽に読めるような有益な情報を掲載することで、より「使える」マニュアルとなります。
テーマとして項目を作るほどではないものの、「ちなみにこんな時はこうすると良いよ」と利用者に伝えたい情報があれば、出し惜しみせずぜひマニュアルに追加してください。

コツ9:作業の目的や理由を説明する

なぜその作業が必要か、なぜこの順番で作業を進めるのか、理由や目的を説明することで、より正しく理解を促せます。
例えば、「クレームの電話を受けた時は途中で話を遮らずに最後まで話を聞く」という文面の下に「途中で遮ると相手はますます激昂するので、まずは言いたいことを言わせて気持ちを落ち着かせるため」など、理由を添えることで、読み手は納得することができます。

コツ10:トラブルやクレーム対処の事例を載せる

実際にあったトラブルやクレーム対処の事例を載せることにより、よりリアルにイメージすることができます。また、「こんなこともあるんだ」と認識させる効果もあり、具体的な仕事内容を理解することにも繋がります。

マニュアル作成手順

マニュアル作成は、基本的に以下の手順で進めます。
手順を間違えると二度手間になったり無駄に時間がかかったりするので、手順に沿って進めましょう。

STEP1:目的・範囲・対象を決める

  1. マニュアルの目的(何のために作るか)を決めます。例えば、新入社員研修のため、新サービスを売り込む営業のフロー、新商品の取扱説明書など。
  2. 作成対象範囲(何をどこまで載せるか)を決めます。対象範囲の抜け漏れや他のマニュアルとの重複を防ぐ重要な作業です。
  3. 対象(誰が使うか)を決めます。対象(例えば、新入社員か中堅社員か、システム管理者か利用者か)によって説明する内容、説明の仕方も変わります。

STEP2:作業計画を立てる

マニュアル完成の期日を決め、作業計画を立てます。新入社員研修マニュアルならば入社まで、新商品の取扱説明書なら新商品発売日の〇日前など、マニュアルの完成期日を明確にしましょう。
そこから逆算して、余裕をもってスケジュールを組み立てます。
スケジュールには以降のステップを盛り込みます。
マニュアル作成メンバーが複数名いる場合は、作業分担も考えます。
テーマごとに分けても良いですし、「本文担当・図担当・校正担当」といった分け方も良いです。

STEP3:構成・形式を決める

マニュアルに載せる情報を整理し、目次構成を組み立てます。
作成ツールを決定します。紙で使う・ファイル管理する場合はOffice系、クラウドで運用する場合はマニュアル作成ツール、など運用方法も考慮して決めます。

STEP4:コンテンツを収集・整理する

マニュアルの内容に必要な情報を収集して整理します。
誤った情報を掲載しないよう、慎重に複数の情報源から情報を集めます。古い情報にも要注意です。
イラストや図、写真や動画などを使う場合はその素材も用意します。
自分たちで作っても良いですし、外注するのも手です。イラストレーターやフォトグラファーに頼んで質の良い素材を手配しましょう。

STEP5:本文を作成する

マニュアルの本文を作ります。
曖昧な表現や誤解を生む表現は避け、誰が読んでも正しく理解できる本文になるよう心がけましょう。

STEP6:校正・チェックをする

誤字や脱字、表記のゆれ(同じことを指す言葉にぶれがないか)、分かりにくい表現、固有名詞の誤りなどがないか、隅々までチェックします。
チェック者は作成担当者以外が望ましく、1人だけでなく2、3人でチェックすると正確性が上がります。
動画も必ず最初から最後まで視聴して、字幕に誤りが無いか、編集におかしな部分は無いか、チェックしましょう。

STEP7:出力する

紙で使うマニュアルは、プリントアウトします。冊子にする場合や部数が多い場合は印刷会社に外注するケースが多いです。

STEP8:完成〜運用する

これでマニュアルは完成です。お疲れさまでした。 マニュアルは、完成後も定期的に見直して、常に最新の情報が載っているようにしましょう。

マニュアル作成のテンプレート一覧

マニュアルをゼロから作るのは大変です。 そんな時に役に立つのがテンプレートです。テンプレートを活用すれば、形式を統一できる、必要事項の記載もれを防げるメリットがあります。型があるところに内容を入れていくため、比較的簡単に短期間でマニュアルを作ることができます。ここではおすすめのマニュアル作成テンプレートをいくつか紹介します。

bizocean(ビズオーシャン)

bizoceanはさまざまなテンプレートを集めているサイトです。マニュアルのテンプレートも「労務・庶務業務マニュアル」「棚卸実施マニュアル」「朝終礼マニュアル」などシーンに合わせて用意されています。 https://www.bizocean.jp/doc/category/292/(Word)

Microsoft365

日本マイクロソフト株式会社が提供しているテンプレートです。マニュアルに特化したテンプレートは少ないです。 マイクロソフトのテンプレート

[文書]テンプレート

業務マニュアルやシステム構築マニュアル・手順書などの書き方・作り方の例のひな形が用意されています。 https://template.k-solution.info/cat612/

テンプレートBANK

新人研修用などマニュアル作成向けのテンプレートも充実しており、無料版から、有料版まで幅広く揃っています。 https://www.templatebank.com/

マニュアル作成ツール一覧

ゼロから自分でマニュアルを作りたいという方におすすめなのがマニュアル作成ツールです。 編集ツールやプログラミングの知識や技術がなくても、簡単にマニュアルを作ることができます。 表やグラフ、チェックリストの挿入もできてとても便利です。 マニュアルに必要な要素が揃ったおすすめのツールを紹介します。

tebiki

提供元Tebiki株式会社
URLhttps://tebiki.jp/
主要機能「動画と文書の作成」「字幕と音声自動認識」「動画に図形挿入」「音声上書き」「自動翻訳」「コース」「アクセス権限管理」「オフライン再生」

マニュアル作成ソフトtebikiは動画に特化した作成ソフトです。スマホで動画撮影するだけで、音声だけで字幕を自動生成できます。

Checkmate

提供元日本ソフテック株式会社
URLhttps://checkmate.nsft.co.jp/
主要機能「アプリでその場でマニュアル作成」「みんなと共有」「コメントやマニュアル確認依頼が簡単」「グループ管理」など

Checkmateはスマホアプリでマニュアルを作成できるクラウド型ツールです。特徴はマニュアル確認依頼をアプリ内でできることです。チェック機能もあり、確認漏れなども防げます。

Teachme Biz

提供元株式会社スタディスト
URLhttps://biz.teachme.jp/

Teachme Bizはスタディストが開発したマニュアル作成ツールです。画像や動画を取り込み、手順を踏めば、簡単にわかりやすいマニュアルが作れます。

マニュアル作成で困ったら外注も視野に

ここまで、マニュアル作成のコツや手順、おすすめテンプレートとツールをご紹介してきました。マニュアルを作る際はぜひ活用していただきたいのですが、既成のテンプレートやツールでは対応できないようなマニュアルを作りたい時もあると思います。
また、自力で作る場合、担当者は本業に加えてマニュアルを作ることが多いため、忙しくてなかなか進まない、部署間の調整が難しい、という悩みもよく聞きます。
そんな時は、業務内容のヒアリングからマニュアルの完成まで一括で頼める制作会社に外注するという手段もあります。
マニュアル作成を制作会社に外注する際のメリットとデメリットを見てみましょう。

マニュアル作成を制作会社に外注するメリット

  • 既成のテンプレートやツールでは作れないマニュアルも作成可能
  • 大規模で部門・部署間での統一が困難なマニュアルも作成可能
  • 分かりやすく、見やすく、メンテナンスしやすいマニュアルを作れる
  • 希望納期でマニュアルが完成する

マニュアル作成を制作会社に外注するデメリット

  • 費用がかかる
  • 打ち合わせ・確認などの手間がかかる

ただし、自力で作る場合のコスト(時間・リソース)や完成度と比較して、メリットがデメリットを上回ることもあるので、よく比較検討してみることをおすすめします。

まとめ

以上、マニュアル作成のコツや手順まとめでした。マニュアル作成について、お困りの点、気になる点があれば、クレストコンサルティングまでお気軽にご相談ください。

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