知りたい事がすぐに見つかる「探しやすい」マニュアル作成のコツ

知りたい事がすぐに見つかる「探しやすい」マニュアル作成のコツ

知りたい事、得たい情報がすぐに見つけられる「探しやすい」マニュアル

例えば、電化製品を使っていてちゃんと動いてくれなくなった時、「故障かな?」と思いながらも、まずは取扱説明書を読んで解決策を探そうとする人が多いのではないでしょうか。
そんな時、自分が知りたい情報がすぐに見つけられなければイライラしたり、結局マニュアルを読んでみたものの解決策が見つからず、コールセンターに問い合わせるという手間がかかったり、最悪の場合、使い勝手が悪いという事で他社製品に買い替えたり、という事態になってしまう恐れもあります。

多くの人が、知りたい情報がある時にマニュアルを開いてその情報を探します。
欲しい情報がすぐに見つかる、探しやすいマニュアルを作るためにはどのような事に気を付けるべきなのでしょうか。

目次は具体的かつシンプルに

「探しやすい」マニュアルを作るために欠かせないのが目次です。
目次だけで、調べたい情報を見つける事ができれば、すぐに見るべきページを確認する事ができます。

目次の項目は具体的なものを用いましょう。
「はじめに」や「操作方法①」など、抽象的なタイトルをつけるのではなく、「基本的な操作マニュアル」や「操作方法~〇〇のやり方」など、具体的に記載するのがポイントです。
また、「故障かな?と思ったら」など、不具合に関するタイトルで項目をまとめると、分かりやすい指針となります。

具体的に記載する必要はありますが、細かすぎるのも、見づらく探しづらい一因となってしまいます。
「故障かな?と思ったら」で、故障の可能性をまとめたページに誘導すれば十分なところ、「電源がつかない時」「画面が突然黒くなった時」「ボタンを押しても反応しない時」など、目次にこれらの詳細を全て記載していては、とても見づらい目次になってしまいます。
目次は大見出しと小見出しの組み合わせで作成するのが良いですが、小見出しの下に詳細をつける場合も、あまり細かくなりすぎないように注意しましょう。

インデックスとヘッダー・フッター

ページ数の多いマニュアルに関しては、インデックスをつけて必要なページを視覚的にすぐに見つけられるよう工夫しましょう。
また、ページのヘッダーやフッター(本文の外枠の余白部分)に章のテーマや内容を記載する事によって、読み手が今何についてのページを開いているか分かりやすくする効果も期待できます。

インデックスやヘッダー・フッターを取り入れる場合は、印刷や製本の工程での裁ち落としも考えて、レイアウトやサイズを工夫しましょう。

索引は充実させる

「探しやすい」マニュアルにおいて、目次と同じくらい大切なポイントが索引です。
索引とは、マニュアルの後ろに、辞書のように語句や単語を五十音順で並べて、その語句や単語が出てくるページを示したものです。

例)
操作方法・・・P.12、P.15、P.112、P.346
電源・・・P.38、P.56

これらの索引は、特に紙のマニュアルでは重要です。
ウェブ上で確認できるマニュアルでは検索機能を取り込む事により、自分で調べたい単語を入力して知りたい情報を引き出す事ができますが、紙のマニュアルではそれができないため、検索機能に相当する索引ページは充実させる必要があります。

ページ番号の振り方にも工夫を

目次と索引、インデックスやヘッダー・フッターを意識してマニュアル作成に取り組めば、知りたい情報を見つけやすい「探しやすい」マニュアル作成が実現できます。
その上で、ページ数の多いマニュアルで工夫できる点はページ番号です。通常のマニュアルでは、通し番号を振るのが一般的です。
ただ、ページ数が多く、ページ番号を確認する事が負担になるようなマニュアルに関しては、章ごとにページ番号を振る方法も良いかもしれません。

ページ番号の事をノンブルと言い、章ごとにノンブルを振る事を「別ノンブル」と呼びます。
1-1、2-1などのようにページ番号を振っていく方法です。

ページ番号でも工夫できるという事だけ覚えておくと良いでしょう。

目次や索引を考える際に留意したいポイント

目次の文言や、索引の語句や単語を抽出するにあたり、留意したいポイントは、読み手がどのような情報を欲しがる可能性があるか、という事を想像する事です。

商品の不調が起これば「不具合かな?故障かな?」と思い、「不具合」や「故障」で調べるでしょう。
これに対しては、例えば目次に「故障かな?と思ったら」などのタイトルをつければ、読み手をスムーズに誘導する事ができます。

また、店員マニュアルなどでは、例えば「誤って食券を買ってしまったお客様への対応と事後処理方法」など、少々イレギュラーな事態が起こった時にマニュアルを確認する事を想定し、「トラブル対応」などの項目を用意しておくのが良いと言えます。

どのようなタイミングで、どのような内容の情報を知りたがる可能性があるか、という事を想像、相談して目次や索引を検討してみてください。

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