
マニュアルにおける校正と校閲の違いとは?どちらもおこなうことが大切な理由
マニュアルを作成したあと、公開や配付の前に内容を見直す工程は欠かせません。その際に実施するのが「校正」と「校閲」です。
どちらもマニュアルの誤りを見つけるための確認作業ですが、チェックする視点には違いがあります。社内でマニュアルを作成・管理する担当者にとっては、それぞれの役割を理解し、適切に実施することが重要です。
この記事では、校正と校閲の違い、両方を実施する必要性、そして担当者選びの考え方について解説します。
校正と校閲の役割
マニュアルの確認作業は、大きく次の2つの視点に分けられます。
- 校正:文章や表記の誤りを確認する
- 校閲:内容や情報の正確性を確認する
どちらか一方だけでは、品質の高いマニュアルを作ることはできません。
校正で確認すること
校正では、文章表現や表記ルールを確認します。
例えば、次のような項目です。
- 誤字・脱字
- 用語の表記ゆれ
- 全角文字・半角文字の混在
- 文体の不統一
- 主語と述語のねじれ
- 操作手順の文章表現の分かりにくさ
例えば、同じマニュアル内に「ログイン」「ログオン」「サインイン」の表記があると、利用者は同じ意味なのかどうか判断できず困惑する可能性があります。表記を統一することで、読みやすく理解しやすい文書になります。
校閲で確認すること
校閲では、記載されている内容そのものを確認します。
例えば、次のような項目です。
- 操作手順が実際の画面と一致しているか
- 数値やデータに誤りがないか
- 部門名や役職名が最新か
- システム仕様変更が反映されているか
- 他の資料との整合性が取れているか
例えば、システム更新後に画面構成が変わっているにもかかわらず、旧画面の説明が残ったままになっているケースがあります。文章としては正しくても、内容が現状と一致していなければ利用者を混乱させてしまいます。
なぜ校正と校閲の両方が必要なのか
マニュアル作成で、校正と校閲どちらも必要な理由は大きく3つあります。
間違った情報を伝えないため
マニュアルは業務の標準手順や製品の使い方を伝えるための文書です。
そのため、内容に誤りがあると業務ミスや品質低下につながる可能性があります。
例えば、
- 誤った操作手順が掲載されている
- 承認ルートが古いままになっている
- 更新されたルールが反映されていない
といった状態では、利用者はマニュアルに沿って仕事をしたにも関わらず、それが誤った行動・操作になってしまうおそれがあります。
特に業務マニュアルや取扱説明書では、内容の正確性を十分に確認することが重要です。
読みやすく理解しやすくするため
内容が正しくても、読みにくい文章では利用者に伝わりません。
例えば、
- 言い回しが統一されていない
- 説明文が長すぎる
- 表記ルールにばらつきがある
- 用語の使い分けが曖昧である
といった状態では、理解に時間がかかります。
利用者が迷わず使えるマニュアルを目指すためには、文章の品質を高める校正が欠かせません。
誤解や問い合わせを減らすため
マニュアルは利用者が自己解決するためのツールでもあります。
しかし、説明が曖昧だったり内容が不足していたりすると、
- 手順を誤って解釈する
- 担当部署への問い合わせが増える
- 作業者によって運用がばらつく
といった問題が発生します。
校正によって文章を分かりやすく整え、校閲によって内容の正確性を担保することで、こうした問題を減らすことができます。
校正と校閲は誰が担当するとよいか
校正は文章を確認できる人
校正では、文章表現や表記ルールを細かく確認する必要があります。
そのため、
- 文書作成経験が豊富な人
- 表記ルールを理解している人
- 読みやすい文章への改善提案ができる人
が担当すると効果的です。
マニュアルの標準ルールを定めている場合は、その観点でチェックできる人を配置すると品質が安定します。
校正ツールを活用するのも有効ですが、校正ツールでは検出できない誤りが残ることや、正しい文章が校正ツールでは誤りとして検出されることもあるため、最終的には人の目による確認が必要です。
校閲は業務や対象システムを理解している人
校閲では内容の正確性が重要になります。
そのため、
- 業務担当者
- システム管理者
- 現場責任者
- 製品やサービスの有識者
など、記載内容を判断できる人が担当することが望ましいでしょう。
マニュアル担当者だけでなく、実際の利用者や現場担当者に確認を依頼することで、実運用に即した改善点が見つかることもあります。
外部に制作を依頼する場合も社内確認は重要
マニュアル制作を外部へ依頼する場合、文章品質の高い成果物が提供されることが期待できます。
しかし、実際の業務手順や制度運用、社内特有のルールについては、自社でなければ判断できない部分も少なくありません。
そのため、
- 業務内容に誤りがないか
- 最新の運用ルールが反映されているか
- 現場で実際に利用できる内容になっているか
といった観点で、社内レビューを実施することが重要です。
まとめ
マニュアルの品質を高めるためには、文章表現を確認する「校正」と、内容の正確性を確認する「校閲」の両方が欠かせません。
どれだけ正しい情報が書かれていても、読みにくければ活用されません。反対に、読みやすくても内容が誤っていてはマニュアルとしての役割を果たせません。
マニュアルの新規作成や改訂の際には、「校正」と「校閲」の視点を分けて確認することで、より正確で利用しやすい文書になります。
また、自社だけでのチェック体制に課題を感じている場合は、第三者の視点を取り入れることも有効です。マニュアルの品質向上についてお悩みの際は、クレストコンサルティングにお気軽にご相談ください。


