作業手順書の必要性について

作業手順書の必要性について

作業手順書とは何か

会社で働いていると、人によって仕事のやり方が違ったり、報告・連絡・相談が上手く働いていなかったりして窮屈さを感じてしまうことがあります。
また、仕事に慣れていない人は仕事の質が低く、最悪の場合、会社のイメージにも影響してしまうこともあります。
こうしたバラツキのある仕事は質が低いと評価されてしまいます。

では、どうすれば高い品質の仕事ができるのでしょうか?
高い品質の仕事とは、「あの会社に頼めば、これくらいのクオリティで仕上げてくれる」という信頼感です。もっと詳しく言うと、どの従業員が仕事をしても同じくらいの成果をあげられることを言います。

簡単に評価すると品質とは「一番良い仕事 ≒ 一番悪い仕事 」です。

すべての作業者が同じ作業を同じクオリティででき、同じような成果があげられることこそ理想です。もちろん、それが良い仕事であればあるほどいいでしょう。

そのためには、仕事の手順やノウハウを皆で共有することが求められます。
つまり、この仕事の手順やノウハウをまとめたものが作業手順書です。

作業手順書は、一般には作業の手順や手段、方法などが示された文章と想像しがちですが、本来は設備と作業者の動きなど標準を定めたマニュアルです。

正しく作成された作業手順書の通りに作業することで、高品質かつ業務の効率化、安全への対策などが図れます。

作業手順書(マニュアル)がない会社

もし作業手順書がなかったらどうなるでしょうか?

これは職人さんの世界に多いのですが、個人個人がそれぞれのやり方で仕事をやる世界では、やりたい放題になってしまうことが多いのです。

そうなれば、管理者は業務がどれくらい進んでいるか正確に把握することはできませんし、現場の人間も自分の担当することについてはわかってもそれ以外の仕事はわかりません。

やり方が違えば製品の強度にも影響を与えますし、材料を入れる順番が違えば料理の味は変わってしまいます。

得意先から「御社の品質レベルや納期を教えて欲しい」と聞かれても答えることはできないでしょう。

取引先を開拓するときに、高い品質であること、安全な環境を作っていることを伝えるためには作業手順書の果たす役割は大きいと言えます。

さらに、作業手順書を作ることによって、経営判断ができるようになります。

作成した作業手順書を効率化した結果、残業時間が1人当たり2時間も少なくなったということもあるくらいです。

職場の人間がベテランだからとか、複雑な仕事じゃないから手順書なんて必要ないとか言い、質の低い作業を放置するのはやめましょう。

作業手順書のメリット

作業手順書を作成するとどのような効果があるのでしょうか。

例えば、作業手順書を読むことで、作業者が同じ手順を共有することができます。手順を共有できるということは、管理者は仕事の進捗状況を把握することができ、経営者は生産性の判断ができるということです。作業員同士はお互いがいま何をやっているかがわかり、助け合いの精神も生まれます。

何よりも、仕事の質が高まり、作業時間を効率化することができます。

例えば、パソコンでメールのやり取りをするときには、キーボードで文字が打てることや、メールがどのような機能かをお互いにわかっていないとメールのやり取りができないわけです。

パソコンを知らない子供に、パソコンを与えてもメールでやり取りをすることはできないでしょう。

作業員同士が仕事について熟知しているということは、とても重要なことです。

作業の効率化を図り、会社が成長していくためには作業手順書がなければならないのです。

内部統制には不可欠

会社が一致団結して動くためには内部統制が必要不可欠です。 

どんな会社であっても従業員がいる限り、内部統制によって業務を適正かつ効率的に進めていく仕組みを作ることが求められます。
現場の作業も作業手順書によって管理することで、何かトラブルが起きたとしても原因追究が容易となります。

上場企業はその影響力や株主への信頼性の高さを担保するために、手順書の作成が義務づけられています。そうした企業へ製品を納入している中小企業は特に作業手順書による内部統制が必要になります。

なぜなら、決められた手順で決められた品質を継続的に生産することが品質の高い仕事だからです。
過去には強度改ざん問題などもありましたが、自社で生産している製品の部品の強度がバラツキが大きかったらどうなるでしょうか?

製品すべてを検査できない会社であればどう対応すればよいのでしょうか?

そうしたときに、作業を標準化した作業手順書が活躍します。作業手順書によって内部統制ができ、高い品質の製品が生産できるようになるのです。

作業手順書の限界

メリットばかりに思える作業手順書ですが、やはり限界があります。作業手順書はあくまで従業員の業務を統一したものであって、最適化されたものではありません。

ミスが起きやすいポイントも作業手順書にそのまま記載されている場合もありますし、経験則で根拠のない作業も記載されている可能性があります。

また、新しい設備が導入されたり、新しい工程を加えようとしたり、規格が変更になると、作業手順書は影響を受けます。そうした時に安易な変更を加えてしまうと思わぬ事故が起きたりしてしまいます。常に生産力やリスクを考えて作業手順書を変更していく必要があります。

一番危険なのが、作業手順書を作ったことで安心してしまうことです。
一度作成した作業手順書だから、この手順書通りに作業をすれば安心だというわけではありません。
日々、手順書を見直して、最適化していくことが重要と言えます。

当社では作業手順書の作成から見直し、最適化までサポートさせて頂いております。お気軽にご相談ください。

タグ: #作業手順書
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