マニュアル作成のためのヒアリング

マニュアル作成のためのヒアリング

マニュアル制作会社のヒアリングを有効活用するために
事前に準備しておきたいこと、伝えるべきこと

社内マニュアルの作成を外部の制作会社に依頼する際、完成度を左右する大きな要素の一つが「ヒアリング」です。 ヒアリングというと「質問に答えるだけ」と思われるかもしれませんが、実際には業務の目的や流れ、現場で起きている課題を共有することで、初めて実用的なマニュアルが作れます。逆に、必要な情報が十分に伝わらないと、実際の業務と合わないマニュアルになってしまうこともあります。
そこで今回は、マニュアル制作会社から業務ヒアリングを受ける際に、どのような準備を行い、どのような体制で臨めばよいのかをまとめます。

まず準備したい3つの情報

どの業務をマニュアル化したいのか

まず整理したいのは、マニュアル化の対象範囲です。
例えば、

  • 経費精算業務
  • 受発注業務
  • 問い合わせ対応業務
  • 入退社手続き

など、対象業務を明確にします。
また、「経費精算業務」といっても、申請だけを対象にするのか、承認や会計処理まで含めるのかによって内容は大きく変わります。
ヒアリング前に、

  • どこからどこまでを対象にするか
  • 他部署との関係はあるか
  • 関連する既存マニュアルはあるか

を整理しておくと打ち合わせがスムーズになります。

現在の業務資料を集める

制作会社は業務内容をゼロから把握するため、既存資料があると理解が大幅に進みます。
例えば、

  • 現在のマニュアル
  • 業務フロー図
  • 申請書・帳票類
  • システム画面の資料
  • チェックリスト
  • 研修資料

などです。
内容が古かったり未完成だったりしても問題ありません。 「現状はこう運用している」という情報があれば、制作会社はヒアリング時に確認するべきポイントを整理しやすくなります。

マニュアル作成の目的を整理する

意外と見落とされがちなのが、マニュアルを作る目的です。
例えば、

  • 新任担当者の教育を効率化したい
  • 業務品質を統一したい
  • 属人化を解消したい
  • ミスや漏れを減らしたい
  • 業務改善の土台にしたい

など、目的によってマニュアルの構成や記載内容は変わります。
制作会社には「どんな成果を期待しているか」まで伝えることが重要です。

どのような体制でヒアリングを受けるべきか

実務担当者と管理者の両方に参加してもらう

ヒアリングでは、実際に作業している担当者だけでなく、管理者や責任者にも参加してもらうことをおすすめします。
実務担当者は、

  • 実際の手順
  • 現場の工夫
  • よくあるトラブル

を把握しています。
一方、管理者は、

  • 業務の目的
  • 品質基準
  • 部署としてのルール

を把握しています。
例えば問い合わせ対応業務の場合、

担当者は「実際にはこう対応している」
管理者は「本来はこう対応してほしい」

という異なる視点を持っています。
両方の意見を確認することで、現場で使いやすく、かつ組織として運用しやすいマニュアルにつながります。

必要に応じて関係部署も参加する

一つの業務が複数部署にまたがる場合は、関係部署にも協力を依頼しましょう。
例えば、

営業 → 受注 → 出荷 → 請求

という流れの業務であれば、前後工程の担当者への確認も必要になります。
部署ごとの認識の違いを早い段階で把握することで、後から大きな修正が発生するリスクを減らせます。

何をどこまで伝えればよいのか

通常業務だけでなく例外対応も伝える

ヒアリングでは標準的な手順だけでなく、例外対応も重要な情報です。
例えば、

  • 申請内容に不備があった場合
  • システムが利用できない場合
  • 顧客から特別な依頼があった場合

などです。
実際の業務では、むしろこうした例外対応に時間を取られることが少なくありません。
「普段はこうしているが、この場合だけは違う」という情報は積極的に共有しましょう。

現場の困りごとも伝える

現在発生している課題も重要なヒアリング項目です。
例えば、

  • 人によってやり方が違う
  • 引き継ぎに時間がかかる
  • 問い合わせが多い
  • ミスが繰り返し発生する

といった悩みです。
こうした課題を共有することで、単なる手順書ではなく、課題解決につながるマニュアルを検討しやすくなります。

「当たり前」と思っていることこそ伝える

長年担当している業務ほど、担当者にとっては当たり前になっている作業があります。
例えば、

  • フォルダの保存場所
  • システムへのログイン手順
  • 社内独自の略語
  • 判断基準や慣例

などです。
新任者が戸惑いやすいポイントほど、ヒアリング時に共有しておくとマニュアルの実用性が高まります。

まとめ

マニュアル制作会社とのヒアリングは、単に業務手順を説明する場ではありません。業務の目的、現場の実態、課題、例外対応まで共有することで、実際の業務で活用できるマニュアルづくりにつながります。

ヒアリング前には「対象業務」「既存資料」「作成目的」を整理し、実務担当者と管理者が協力できる体制を整えておくことをおすすめします。十分な情報共有ができれば、制作会社も業務を正確に理解し、自社に合ったマニュアルを作成しやすくなります。

マニュアル作成を進める中で「どこまで説明すればよいかわからない」「業務整理から相談したい」という場合は、ヒアリングの段階からマニュアル制作会社へ相談すると、検討をスムーズに進めやすくなります。

タグ: #ヒアリング
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