マニュアル制作ソフトと制作会社、どちらを選びますか?違いは?

マニュアル制作ソフトと制作会社、どちらを選びますか?違いは?

マニュアルを作るには、おおまかに言って制作ソフトを使って自分で作る方法と制作会社に依頼して作ってもらう方法があります。
今回はどちらを選べばいいのかについて考えてみたいと思います。

マニュアル制作ソフトについて

制作ソフトとは、前回「マニュアル制作ソフトで業務マニュアルは作れるのか」の通り、マニュアルを作ることに特化したソフトのことをいいます。
制作ソフトの利点は、専門の制作会社にマニュアルの制作を頼まなくてもかなり本格的なマニュアルを作れるという点にあります。ソフトの使い方も直感的で、画像や動画を組み込んだり、音声やコメントを付けたりすることが自由にできます。
また、使い方に合わせてマニュアルをHTMLやPDFなどのさまざまな形式にすることができます。

ただし、制作ソフトでそれなりのマニュアルを作るためには、制作ソフトの使用方法をある程度勉強する必要がありますし、マニュアルの内容や構成に関しては前もって自分でしっかりと準備しなければなりません。
マニュアルが完成した後も、内容に抜けや誤りはないか、わかりやすいか、などを自分で念入りに確認する必要があります。
マニュアルは1度作ってしまえば終わりというわけではありません。
マニュアルを公開した後にシステムの仕様や業務の手順が変わったら、それに合わせてマニュアルも修正するか、場合によっては作り直す必要があります。
制作ソフトでマニュアルを作った場合、ソフトを使いこなせる担当者がいないとマニュアルを更新できなくなり、かえって業務に支障を来たしてしまうかもしれません。

また、マニュアルの内容によっては制作ソフトで作るのに適していないものもあります。
制作ソフトは作業の流れや動きを見せるマニュアルを作るにはうってつけですが、画面を止めて内容をじっくり確認したいものには不向きなので、利用者の使い勝手を考えるとマニュアルをすべて制作ソフトで作るというわけにはいかないかもしれません。
制作ソフトは専門的なソフトのため価格もそれなりに高額になりますが、せっかくお金をかけて制作ソフトを導入しても期待したほど活用できなかった…ということになってしまう可能性もあります。

さらに、定常的な維持管理や更新作業を正確で効率的に行っていくためには、マニュアル担当者をある程度決めておく必要もあります。
習熟したマニュアル作成のノウハウを有効に活かし、途切れさせないためにも、ぜひ担当者は決めるようにしましょう。

マニュアル制作会社について

制作ソフトを使いこなせない、マニュアルを更新管理する担当者を決めることができないという場合には、制作会社に制作を依頼する方が良いかもしれません。
制作会社に頼めば、資料を用意し、制作会社と打合せすることでどんなマニュアルも作ることができるからです。
マニュアルの形態もWebで閲覧・管理できるもの、PDF、ドキュメントファイル、冊子、動画など希望する形で制作してもらえます。

制作会社は、資料や打合せしたことを基に構成や内容を考えてマニュアルを作っていきます。
業務に過不足があったり、基準があいまいだったり、担当者によるバラつきがあったりする場合は、それらの点を指摘し業務改善の提案もしてくれます。
また、マニュアルを作った後のメンテナンスや、定期的な更新作業を制作会社に依頼することも可能です。

ただし、制作会社に一任すれば、手放しで良い点ばかりということではありません。

マニュアル作成ステップに合わせて必要な資料の提供やヒアリング対応など、自社内側の進捗にも気を配る必要があります。
併せて制作会社から出されたマニュアル原案のチェック作業も必要となります。
理想とするマニュアル作成を予定通りに進めるためには、発注側も一体となった関わり意識を持つことが成功の鍵なのです。

ではどちらを選ぶか

制作ソフトを導入すれば自分でマニュアルを作れるようになる反面、作ったマニュアルを維持管理していくにはそれなりの手間と時間がかかります。
制作会社への発注は制作ソフトに比べて費用がかかるように思えるかもしれませんが、手間と時間を有効に使ってクオリティの高いものを制作し維持管理するには、やはりプロに頼むのが一番の早道かもしれません。

また、最近では上記2つの良い所を取り入れた方法を採用する企業も増えてきたようです。
制作会社に制作ソフトの効果的な利用を指導してもらい、また全体のプロジェクト管理を支援してもらいながら制作を両者で分担する方法です。
この方法であれば自社内にもノウハウが蓄積し、作り上げたマニュアルの維持管理を自社内で行うことが可能です。

制作ソフトと制作会社、一概にどちらがいいとは言い切れませんが、求めるものや状況に応じて使い分けてみてはいかがでしょうか。

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