マニュアル作成で目次構成が重要な理由
マニュアルを作成する上で、何よりも大切になるポイントは「分かりやすさ」です。この「分かりやすさ」はマニュアルの本文そのものだけでなく、目次にも必要なことです。目次構成が分かりにくいマニュアルは、マニュアルとしてきちんと機能しないと言っても過言ではないくらい、目次構成は重要です。その理由と、目次構成で意識したいポイントをまとめます。
目次構成が重要な理由
目次構成が重要である事を裏付ける理由は下記の通りです。
- 読み手が必要な情報をすぐに引き出せるように
- マニュアルを最初から通して読んだ時に流れが掴みやすいように
- マニュアル作成において内容が重複したり抜けたりしないように
それぞれ詳しく見ていきましょう。
読み手が必要な情報をすぐに引き出せるように
マニュアル作成で最も大切な「分かりやすさ」が実現できているかどうかというポイントになります。読み手が目次を見ただけで、自分が欲しい情報がどこに載っているかすぐに分かる目次が理想的です。本文をめくって必要な情報を探すのではなく、目次を見ればすぐに読むべき箇所が分かるためにも目次構成はとても重要なのです。
マニュアルを最初から通して読んだ時に流れが掴みやすいように
テキストとしてマニュアルを使う時、あるいは使い方などを時系列でひとつひとつ説明していく上で、目次構成は非常に重要となります。最初から通して読み進めていく中で、説明の流れが掴めるように、内容があちこちに飛んだり、ページを遡って確認したりしなければならないような事が無いように、熟考しなければなりません。
マニュアル作成において内容が重複したり抜けたりしないように
目次構成を重視しなければならない理由は、読み手だけでなく作り手のためでもあります。マニュアル作成において、その内容が重複したり、大切な情報が抜けたり、順番がぐちゃぐちゃになったり、分かりづらいマニュアルにならないためにも、作成前にきちんと目次構成を練っておく事が重要です。
時間はかかりますが、枠をきちんと作っておくことにより、その後のマニュアル作成をスムーズに進める事ができるようになります。
目次構成で意識したいポイント
目次構成において意識したいポイントは下記の通りです。
- 大見出しと小見出しで項目を整理する
- 見出しには「何について書かれているか」を明記する
- 複数のメンバーで構成を練り上げる
- 必要に応じて目次構成も変えていく
- 「困った時は」や「こんな時は」などの項目を準備
- 読み手がどのような時にマニュアルを開くか考える
詳しく見ていきましょう。
大見出しと小見出しで項目を整理する
目次項目は大見出しと小見出しで整理しましょう。例えば接客マニュアルにおいて、大見出しを「接客の仕方」として、小見出しを「お客様来店時」「注文の受け方」「会計の仕方」など、シチュエーションごとに細かく分けると、従業員がどのシーンで困ってマニュアルを広げたかによって、見るべきページをすぐに探せるようになります。
見出しには「何について書かれているか」を明記する
マニュアルを開いて目次を見る人は、明らかにしたい情報があるため、目次でその言葉を探します。そのため、目次の見出しには「何について書かれているか」という事を明記する必要があります。例えば「使用例1」「使用例2」など、具体的な内容が一切書かれていないと、どのページを開いたら良いのか分かりません。「浴室で使用する時は」や「屋外で使用する時は」など、具体的に書く事が大切です。
複数のメンバーで構成を練り上げる
目次構成を練り上げる作業はとても難しい作業です。ひとりだけで取り組むと、抜けがあったり重複事項が出てきたり、内容がうまくまとめられなかったり、様々な壁にぶつかる事でしょう。複数のメンバーで、マニュアルに盛り込むべき事項を洗い出して、その内容を分かりやすくまとめていく作業をおこない、分かりやすく整理された目次構成を作りあげましょう。
必要に応じて目次構成も変えていく
マニュアル改訂のタイミングには、目次構成も見直すようにしましょう。マニュアルの内容が変わったり、追加やカットが生じたりした際には、目次項目ももちろん変更となります。ただ、マニュアルの本文に変更が生じなくても、マニュアルの順番や目次項目を変えた方がより分かりやすくなるという意見が出れば、取り入れて変更する必要があります。より良いマニュアルを作るためには、目次構成もブラッシュアップしていく事が大切です。
「困った時は」や「こんな時は」などの項目を準備
マニュアル作成で目次構成を考える際に、役立つ便利な項目が「困った時は」や「こんな時は」あるいは「よくある質問」などの項目です。読み手が必要とする情報をこの項目にまとめておく事によって、まずこのページを読んでみれば必要な情報が得られる可能性が高いという便利さを実現できます。「ちなみに…」と説明したいような内容はコラムのような形で掲載する事もおすすめです。目次構成では「コラム」と書いてしまって大丈夫です。
読み手がどのような時にマニュアルを開くか考える
マニュアルの目次に掲載する項目に関しては、読み手がどのような時にマニュアルを開くのか考えて設定するのが良いです。例えば、接客マニュアルであれば「お客様からこんな要望が出た時にどうしたらよいか」や「使える商品券はどれか(お客様が差し出した商品券は使えるのかどうか)」といったシーンが考えられます。こんな時に「お客様からの要望対応例一覧」「対応可能な商品券」などの項目があると分かりやすいです。
家電などの取り扱い説明書であれば「故障かな?と思ったら」という大見出しの下に「電源が入らなくなった」や「焦げたようなにおいがする」など具体的なケースを記載しておくことにより、必要な情報を探しやすくする事ができます。
目次構成で行き詰まったら
マニュアル作成における目次構成を作る作業は、とても難しく負担が大きい作業です。途中で訳が分からなくなり、投げ出したくなってしまう事もあるでしょう。複数のメンバーで相談しあっていても、結局のところ何が大事で、どのような項目で目次構成を作っていくのか、意見が割れてまとまらないという事態に陥る事も考えられます。
そんな時は、プロに頼るというのがひとつの手です。実は、プロのマニュアル作成業者がもっともその手腕を発揮するのがマニュアルの目次構成作りと言っても過言ではないくらい、この目次構成は高い専門性と技術が必要な事なのです。
どのような目的で作るマニュアルなのか、どのような内容を盛り込んだマニュアルなのか、などの内容をヒアリングし、打ち合わせていく中で、最適な目次構成を提案してくれます。
目次構成を考える膨大な時間を考えると、プロの力を借りるという選択肢も検討したいところです。
目次構成をあなどってはならない
マニュアル作成というと、ついついマニュアルの内容や本文の分かりやすさなどを重視しがちですが、まずしっかりした目次構成を考えて枠を作り上げる事が重要です。
分かりやすいマニュアル作成のための大切な第一歩である目次構成は、決してあなどってはなりません。この目次構成でマニュアルの良し悪しが決まると言えるほど大切なことです。自分たちだけで上手く目次構成がまとまらない場合には是非当社へご相談ください。