営業マニュアルを作成するポイント
営業マニュアルの必要性と本当に役に立つ営業マニュアル
営業マニュアルは、営業マンのための営業ノウハウが詰まったマニュアルです。
ひと昔前までは「営業は経験とカンがものを言う」とも言われ、先輩の熟練営業マンに着いていき、背中を見て、そこから技を盗んで自分なりに技術を磨く、という流れを取っている企業も多かったようですが、最近はマニュアル作成に力を注いでいる企業が増えてきました。
取引先によって対応内容が変わる営業ですが、根本に流れる営業ノウハウは同じものです。社会人としての礼儀や言葉遣い、言葉の選び方など基本的な部分をはじめ、営業先へのアフターフォローの仕方やそのタイミングなど、共通する点が多々あります。
こういった点を分かりやすくまとめて、いつでも誰でも学べるように文字化したマニュアルが、本当に役立つ営業マニュアルです。
熟練の技を持つ営業たちが培ってきた技術を文字化して新人営業たちと共有する事で、彼らの営業力がぐっと上がりますし、マニュアルそのものが会社の貴重な財産となります。
それでは、本当に役立つ営業マニュアル作成のポイントを見ていきましょう。
営業マニュアル作成で気を付けたいポイント
営業マニュアル作成は、決して容易ではありません。
なにしろ文字だけでまとめられるような代物ではない上に、ケースバイケースが非常に多く、マニュアル作成においても煩雑で分かりにくい内容になる恐れがあります。
ポイントを抑えて、使えるマニュアル作成を心がけましょう。
形式はひとつに縛る必要なし
形式というのは、A4の冊子、ビデオ教材、などの媒体を指します。
営業マニュアルは、この形式を複数用いる事によって、使い勝手がぐっと良くなります。
社内で研修などに使えるテキスト型の冊子
新人研修や、定期研修などで使えるテキストタイプのマニュアルです。
会社の理念を理解したり、営業として知っておきたい事をまとめたりしたものというイメージです。持ち歩いてまで確認する内容ではなく、概要のようなものが掲載されたものです。
営業先への移動中や、外回り中に確認しやすいハンドブックタイプ
持ち運びに便利な小型マニュアルです。
会話術や「こんな時は」というノウハウを掲載した、いわゆる「お役立ち本」のようなイメージです。いつでもどこでも確認できるため、移動の多い営業にはピッタリのタイプです。
動作などを確認できるビデオ教材
名刺の渡し方や、礼の仕方など、動作を見せたいようなシーンで役に立つマニュアルです。
こちらも、研修などで活用する事ができます。
営業マニュアル作成で、まず決める事
続いて、営業マニュアル作成において、まず決めておかなければならない事を明確化します。
これが無いと、分かりづらく、目的もハッキリしない「使えない」マニュアルになってしまいます。
マニュアルを読む対象者は誰か
新人営業のためなのか、営業全員のためなのか、営業経験者のためなのか、明確化します。
マニュアル作成の目的
新人教育のためか、営業全員で共有するためか、などマニュアル作成の目的を決めます。
この目的によって、マニュアルに掲載する内容の優先度合を精査していきます。
マニュアルの形式
テキストタイプ、ハンドブックタイプ、ビデオ教材など、内容によって複数用いる場合も、どの内容でどの形式を使うか検討します。
まずはこの3点をしっかり決めて、マニュアル作成に取り掛かりましょう。
営業マニュアルに盛り込みたい基本的な項目の例
マニュアル作成の目的にもよりますが、一般的な(特に新人教育向けの)マニュアルに掲載する項目の例をご紹介します。
身だしなみのマナー
服装や髪形、化粧などのマナーについて
挨拶のマナー
挨拶の言葉や、名刺交換のマナー、お辞儀の仕方などについて
商談時のマナー
出されたお茶の扱いや、座るタイミングなど基本的なところから、商談時に気を付けたい点について
トークフロー
商談時の会話術、会話のもっていき方など
商品の理解、アプローチ方法
売り込みたい商品について熟知される項目、また、アピールするコツをまとめたもの
顧客管理方法
新規顧客、既存顧客の管理方法について
クレーム対応
顧客からのクレーム対応について
これらが基本的な項目となりますが、目的と対象によって必要な内容も変わってくるため、何を盛り込むべきか精査してマニュアル作成に臨みましょう。
[営業マニュアル作成で注意するポイント]
営業マニュアル作成において、注意しないと「使えない」マニュアルになってしまう点をまとめます。
表現が抽象的
「会社に戻ったら顧客のアフターフォローをする」という表記では、具体的に何をすべきか示されていないため、どのようなフォローをするかという例まで挙げる事が必要です。
見直さない
営業マニュアルを作ったら、それっきり何の見直しも改訂も行わずに同じものを使いまわす事は避けましょう。マニュアル利用者の声も聞き、より分かりやすく使えるものを目指す事で本当に使えるマニュアルにどんどん改善されていきます。
経営層だけで作成し、現場の声が反映されていない
営業マニュアル作成では、現場で実際に活躍している営業の声を必ず取り入れるようにしましょう。生の声を掲載する事で具体的な対策案が充実し、使えるマニュアルになります。