マニュアル文化

マニュアル文化

今やわれわれの周りには、マニュアルが沢山存在しています。マニュアルとは呼ばなくても、取り扱い方を説明した文書や写真、イラストなども多く存在しています。
まさに現代はマニュアル文化と言えます。
しかしながらマニュアルが有効にその機能を発揮したリ、有効活用されているケースはそれ程多くは無さそうです。

マニュアルの本質

仕事の手順やルール、注意点、そして熟練者のノウハウなどを言語化、図式化、映像化して他人に伝達可能な形にすることにマニュアルが持つ本質の大部分があると言えます。
マニュアルが存在しても、それが実際の業務の役にたたないのであれば、それは形式だけのものであり、マニュアルの役割を果たしていないことになります。
このような現象では、明らかにマニュアルのコンテンツや記載内容が不備であったり、コンテンツとなる元の情報やデータに正確性が欠けていたり、バックグラウンドや説明・解説が不十分であったりしています。
また、提供された情報は十分であっても、マニュアルの作り手側に制作の経験、スキルやセンスが不十分であったり、対象とする業務の理解力が乏しかったりすれば目標とするマニュアルにはなりません。
また同時に、内容の改訂や更新のルール、利用規約や利用環境が整備されていない状況でも、マニュアルの活用はすすみません。
労働年齢人口が減少している今日、労働力の確保が難しさを増しています。
また、業務の承継が難しいと言われる属人的な仕事においては、マニュアルの重要性は更に増します。

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マニュアル文化

「マニュアル社会」「マニュアル主義」あるいは「マニュアル人間」など、我が国には
マニュアルに否定的な声が依然としてあります。
マニュアルの狙いは、ある事象を言語化・見える化するとともに、広く共有化することに狙いがあります。
作業手順が明確に示されていない業務の現場では、業務の標準形も明らかにならず、場合によっては事故などのリスクを伴うこともあります。
現状をしっかりと捉え問題点があればそれを是正して、だれにでもわかり易いマニュアルに示された標準形の業務対応は、効率向上に寄与するだけでなく組織内の秩序や文化の醸成にも繋がるとも言えます。
マニュアル通りにしか行動しない融通の効かないロボット的な対応することを批判する意見は、今の世の中に多く存在します。
しかし、マニュアル文化の弊害、否定論をそろそろ変えて、マニュアル文化の本質を理解する風潮が高まることを期待したいものです。

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