操作マニュアルと業務マニュアル 作成意図の違い

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操作マニュアルと業務マニュアルは、同じマニュアルでもその意図が違います。
どう違うのか?
どちらを作るのが難しいのか?
両方の作成に携わったことがある人なら、業務マニュアルの方が圧倒的に難しいと答えるはずです。

操作マニュアルを作成する際、その難しさは、主に見せ方の難しさでしょう。
初めての人がマニュアルを見て、間違いなく操作出来るようにマニュアルを作る必要があります。
一方、業務マニュアルは操作説明ではなく、業務の流れを説明するものです。
操作マニュアルとは読ませる対象が根本的に違います。
先に業務マニュアルで業務の流れを説明し、操作マニュアルで機器の具体的な扱い方を学ぶ。あるいは、業務の流れを知らなくとも、機器操作だけを覚えれば業務遂行が可能になる。
そうした目的の違いがあります。

正解がある操作手順

操作マニュアルには、正解があります。
それは、こう操作すれば、こうなります。
この操作以外はしないで下さい。
この状況ではこの操作をして下さい。
そうした決まり事を盛り込む必要があります。
そのため、図や画像など手順の分かるもの(視覚的要素)を多用して、操作の仕方を分かり易く説明することが大切になります。
その意味で、見せ方が難しいのは操作マニュアルでしょう。

機器にはたくさんの機能があります。
それらをすべて並列的、網羅的に見せていたら、大切な部分が見つかりにくくなります。
検索や索引だけでは解決しません。
まず、標準的な使い方を提示する必要があります。
標準を提示する事で、最低限の共通基盤が出来上がります。
まれにしか使わない操作、例外処理は、別立てで記述すると見やすくなります。
日次処理、月次、年次など章立ても工夫するとさらに見やすくなります。


正しい業務マニュアルとは

業務マニュアルの目的は、読んだ人が業務内容を把握出来る事にあります。
ルーティン化した業務、特例として発生する業務、様々な業務には目的があり、インプットとアウトプットがあります。
正しいインプットと正しい操作、その結果得られる正しいアウトプット。
それぞれの関係を記したものが業務マニュアルです。

主要なルーティン業務、付加価値を生む業務、業務によって難易度が違っていても業務マニュアル通りに遂行すれば正しいアウトプットが得られるように記されたものが、正しい業務マニュアルです。
つまり、どんな担当者でもマニュアルがあれば経験に関係なく標準化された成果を挙げられるように業務マニュアルは作られていなければならないのです。

業務マニュアルを作る目的

業務マニュアルは、標準化を前提に記されています。その起源はテーラー・システムの影響によるものでしょう。
テーラー・システムが広がったのは、標準化により人員のスキルに大きく依存する事無く、一定の成果・生産効率が挙げられるメリットが注目されたからです。

現代では、生産効率を向上させるため、自社の部門を外部へ委託するアウトソーシングが当たり前になりました。自社の部門がいつまでも自社の内部にとどまる事が非効率である、と言う人までいます。アウトソーシングに備えて、自社の業務がどうなっているのか、業務全体を業務マニュアルによって把握することが大切です。

18世紀の後半、産業革命が進行する中で、分業化が進みました。かつての時計職人は構成する部品、作業工程を全て知っていました。しかし、分業化が進み、全体を見渡せる人が少数になってしまいました。

そのことについて、P.M.シュルは『機械と哲学』の中で、「発展の端緒の目撃者であったアダム・スミスは、それが労働機能を低下させる性格のものであることを見抜いていた」と書いています。

業務マニュアルを作る目的は、全体像が見渡しにくくなった業務を、常に可視化しておくためです。
業務を行うプロなら、業務フローとプロセスを把握しています。
業務の全てを把握・記載したマニュアルがあれば、業務の変更・構築も適切に行えるはずです。
業務マニュアルを作る目的は、業務効率の向上に貢献する事なのです。

当社ではマニュアル作成会社として約30年の実績とノウハウがあります。お気軽にご相談ください。