
マニュアル作成ソフトの特徴と活用のコツを解説
マニュアル作成ソフトは便利、でも万能ではない
マニュアル作成ソフトとは、画像や動画を使って誰でも手軽にマニュアルを作成できる便利なツールです。特に「既存マニュアルの一部を修正したい」「簡単な手順を見える化したい」といった場面では、スピーディーに対応できるため、多くの企業で導入が進んでいます。
しかし、マニュアル作成ソフトはあくまでも“ツール”です。業務の流れやルールを整理したり、構成を考えたりするのは人の手による準備が必要です。そのため、ソフトを使えば誰でも簡単に業務マニュアルを作れるというわけではありません。
実際には、業務の棚卸しやフローの整理といった「事前準備」が不十分なままマニュアル作成に取りかかってしまい、「見た目はきれいだけど、内容が伝わらない」「ページ数が増えるだけで、かえって読みにくくなった」といった声も少なくありません。
マニュアル作成ソフトは、事前に整理された業務や構成をもとに使うことで初めて効果を発揮するツールです。導入にあたっては、ソフトに頼りすぎず、どのような内容を、誰に向けて、どう伝えるかを整理することが欠かせません。
マニュアル作成ソフトの種類と特徴
マニュアル作成ソフトは、画像や動画を使って、操作手順や業務フローを視覚的に伝えるためのツールです。WordやPowerPointよりも、操作画面の記録や共有がしやすく、直感的なマニュアルを誰でも簡単に作成できるのが特徴です。
マニュアル作成ソフトは大きく分けて、「インストール型」と「クラウド型」の2種類があります。それぞれに特徴とメリット・デメリットがあります。
インストール型とは
インストール型は、ソフトをパソコンに直接インストールして使用するタイプです。ネット環境に依存せず使える点が魅力ですが、パソコンごとの環境設定が必要で、ライセンス管理や故障時の再構築など、手間がかかる場合があります。
メリット
- ネット環境がなくても使える
- 動作が安定している
デメリット
- インストール作業が必要
- PCごとに設定が必要
クラウド型とは
クラウド型は、ソフトウェアがインターネット上のサーバーで提供され、ブラウザを通じて利用するタイプです。どの端末からでもアクセスでき、複数人での編集やデータ共有がしやすいため、チームでの運用にも向いています。一方で、ネット環境がないと作業できないという制約があります。
メリット
- 複数人で同時に作業できる
- 端末を選ばずに利用可能
デメリット
- インターネット接続が必須
- 月額課金が一般的
このように、使用目的や運用体制によって適したタイプが異なります。導入前には、自社のマニュアル制作体制や利用シーンを考慮したうえで、最適なタイプを選ぶことが重要です。
代表的なマニュアル作成ソフト一覧【2025年版】
ツール名 | 主な特徴 | 提供形態 |
---|---|---|
Dojo | 操作記録の自動化、WordやHTML形式での出力に対応。誰でも高品質なマニュアル作成が可能 | インストール型/クラウド型 |
Teachme Biz | スマホやPCで直感的にマニュアル作成。チーム共有・運用管理機能も充実 | クラウド型 |
iTutor | HTML5での動画出力、音声・動画対応。Office製品との連携も可能 | インストール型 |
EZLecture | 操作手順を自動記録して動画化。ボタン1つでスライド・ナレーション付きで出力 | インストール型 |
DemoCreator | 画面録画+音声・字幕編集可能。教育・社内研修用のビジュアル教材に強み | インストール型 |
COCOMITE | 操作手順書作成に特化。クラウド上でテンプレート管理や権限設定も可能 | クラウド型 |
Helpdogマニュアル | 操作画面の録画・マニュアル自動生成機能。多言語展開やナレーション付き動画も対応 | クラウド型 |
マニュアル作成ソフトの向き・不向き
マニュアル作成ソフトは非常に便利なツールですが、用途によっては向き・不向きがあります。以下に代表的なメリットとデメリットを整理しました。
向き
- 少ページのマニュアル作成に適している
- 既存マニュアルの微修正がしやすい
- 画像や動画を中心に直感的なマニュアルを作成できる
不向き
- 業務全体の棚卸しや構成変更には不向き
- 長文や複雑な業務マニュアルの作成には不向き
- 複数人で作成する場合、マニュアルの品質を統一しにくい
業務マニュアルを作るには「業務整理と準備」が必要
業務マニュアルを効果的に作成するには、まず「業務整理」と「準備」が欠かせません。
どんなに高機能なマニュアル作成ソフトでも、業務の全体像や手順が整理されていなければ、わかりやすいマニュアルにはなりません。
具体的には、以下のような準備が必要です。
- 業務の棚卸し(どんな業務があるのかを洗い出す)
- 業務フローの整理(作業の流れ・手順を明確にする)
- 使用する画像や説明文の内容をあらかじめ決めておく
こうした準備を終えたうえで、マニュアル作成ソフトを活用すると、作業効率がぐっと高まります。
特に操作マニュアルの場合は、「どのタイミングで撮った画面例を載せるか」をあらかじめ決めておくと、撮り忘れややり直しを防げてスムーズに進行できます。
マニュアル作成ソフトは、業務を整理・設計したうえで「仕上げの道具」として使うのが理想的です。
結論:構成を考えるのは人、ソフトは補助ツール
マニュアル作成ソフトは、操作画面のキャプチャや図解、レイアウトなどを効率的に行える便利なツールです。
しかし、どれほど見た目が整っていても、内容が伝わらなければマニュアルとしての価値は半減してしまいます。
本当に伝わるマニュアルを作るには、「誰に」「何を」「どう伝えるか」をしっかりと設計することが重要です。
業務内容の整理、情報の優先順位付け、マニュアル全体の構成といった設計作業は、人が担うべき領域です。
また、マニュアルを複数人で作成する場合には、「見出しの書き方」「画面キャプチャのルール」「ページ構成の型」など、作成ルールをあらかじめ決めておくことも欠かせません。
つまり、マニュアル作成ソフトは“補助的な道具”として活用するものであり、
構成・内容・表現方法を考えるのは、あくまでも作り手の役割です。
専門会社に依頼するという選択肢も
マニュアル作成ソフトは、うまく使えば非常に便利なツールですが、
「業務の棚卸しから構成設計まで手が回らない」「誰が作っても品質をそろえたい」といった場合には、マニュアル制作の専門会社に依頼するという選択肢もあります。
専門会社であれば、業務のヒアリングから構成設計、マニュアルの制作・運用ルールの整備まで一貫して対応可能です。
社内にノウハウがない場合でも、伝わる・使えるマニュアルをスムーズに整備できます。
クレストコンサルティングでは、30年以上にわたりさまざまな業種・業務に対応したマニュアルを制作してきた実績があります。
マニュアルの自社制作でお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。
貴社の業務内容や目的に合わせた、最適なマニュアル制作のご提案が可能です。