今後ますますマニュアルが必要になってくる理由

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あなたはマニュアルの必要性について考えたことはありますか。
製品に付いてくるマニュアルは読まずに捨ててしまうし、仕事はマニュアルがなくても何とかなるし、マニュアルなんて必要ないのでは、と思う人もいるのではないでしょうか。
でも、マニュアルは上手く使えばさまざまな効果をもたらしてくれるツールであり、これからその役割はますます重要になっていきます。
今回は、マニュアルの効果と今後ますますマニュアルが必要になってくる理由について書いてみたいと思います。

1. ノウハウの共有

マニュアルを作ることによって、個人で保有している知識やノウハウを共有することができます。
皆が知っているはずと思っていたことが実は伝わっていなかったり、特定の人にしか分からない仕事があったりするかもしれません。
仕事が「あの人にしかできない」「あの人に聞かないと分からない」状態になっていると、不在時や担当者が変わった時に仕事が回らなくなる恐れがあります。また、年に一回しか発生しないような仕事は、手順を忘れてしまいがちですし、次も同じ人が担当するとは限りません。
これらの仕事をマニュアル化しておくと「いつでも」「誰でも」対応することができるようになります。
マニュアルを作ることは組織の力を高めることにもつながります。

2. 時間・コストの削減

知識やノウハウをマニュアルに集約しておけば、自分の都合がいい時にマニュアルを見て仕事の内容を確認できます。その結果、担当者間で手順を確認したり上司に指示を仰いだりする時間も減り、互いに効率よく仕事を進めることができるようになります。
新人に仕事を教える際も、マニュアルがあれば説明する時間や労力を削減することができます。
また、製品やサービスのマニュアルであれば、利用者がマニュアルを通じて使い方や「よくある質問」を知ることができるため、問合せ対応の負担を減らす効果もあります。

3. トラブル回避

問題になりそうなことはあらかじめマニュアルで注意を促すことによって、トラブルを未然に防ぐことができます。
過去のトラブル対応事例もマニュアルとして蓄積しておけば、同じような事態に直面した時にもマニュアルを頼りに対応することができます。
マニュアルがあれば、人によって判断基準や対応方法が変わってしまうこともなくなります。特に、製品やサービスのマニュアルでは、安全な使い方や注意事項を明記しておくことでクレームや訴訟のリスクを減らすことにもつながります。

4. コンプライアンスの強化

コンプライアンスとは法令順守を意味しますが、今日では企業等で法令だけでなく社内ルールやモラルを遵守して活動することも指します。
法令に違反していなくても何らかのルールやモラルに反した問題が起きると、コンプライアンス違反として社会的な批判を受けます。
従業員数1万人の企業でも、たった1人の起こした不祥事によって消費者や取引先の信用を失い、事業継続が難しくなる可能性もゼロではありません。
組織の守るべきルールや取り組み方針、問題事例等をコンプライアンスマニュアルとして明文化すると同時に、従業員にはコンプライアンス教育を徹底することが必要になってきます。

5. 非常時への備え

組織で事故や事件が起きた時、マニュアルがなかったことが問題視されることがあります。
以前の記事「中小企業ほどマニュアルが必要な5つの理由」でも触れましたが、緊急事態に備えて「非常時対応マニュアル」(BCP)を整備する企業が増えています。災害や事故だけでなく爆弾テロやサイバーテロの脅威も現実にあります。
東日本大震災以降「想定外」という言葉をよく耳にしましたが、企業等の社会的な責任の大きさを考えると想定外では済まないこともあります。
不測の事態に備えて、BCPを整備しておくことは組織の規模にかかわらず重要なことです。他のマニュアルに比べ整備が後回しになりがちですが、万一の時に顧客や従業員ひいては社会への責任を果たすことにもつながります。

6. ノウハウの継承

熟練者が後任者にノウハウを継承することなく異動・退職するのは組織にとって損失であり、場合によっては仕事が回らなくなってしまう恐れもあります。
異動・退職時に引き継ぎ書を作るのは大変なことですが、日頃からマニュアルを作っておけば後任者も困りません。
また、今日では雇用形態も多様化しており、派遣労働者のみが業務を担当することも珍しくありません。人が頻繁に入れ替わる職場ではより一層マニュアルが必要になります。

 

いかがでしょうか。
このようにマニュアルが求められるシーンはいろいろあり、今後も増えていくことが予想されます。一口にマニュアルと言っても、日常業務の手順をまとめたものだけではなく、業種や目的によってさまざまな種類があり、中にはマニュアルの作成や保管が義務付けられている場合もあります。
マニュアルというととかくマイナスなイメージを持たれがちですが、これからのマニュアルは、生産性を上げ組織を強くするツールとして積極的に活用するものになっていくでしょう。