マニュアル制作ソフトで業務マニュアルは作れるのか

マニュアル制作ソフトで業務マニュアルは作れるのか

今回はマニュアル制作ソフトで業務マニュアルは作れるのか考えてみたいと思います。

マニュアルを一から作る場合、Wordでテンプレートを作って…画面を貼り付けて…説明を書いて…などといった作業に時間と労力を費やすことになるのですが、マニュアル制作ソフトを使えばその作業の負担を大幅に軽減することができます。
マニュアル制作ソフトには、例えば以下のようなものがあります。

メジャーなマニュアル制作ソフト

Dojo (株式会社テンダ)
マニュアルやデモンストレーション動画を作るためのソフトウェアです。
対象となるアプリケーションを普段どおりに操作すると、その画面の動きや操作を記録し、音声や吹き出しで説明の入ったマニュアルを自動的に作ってくれます。画像や説明文を後で追加することもできます。
マニュアルはWordやHTMLなど、いろいろな形式での作成に対応しています。

Teach me Biz (株式会社スタディスト)
PCでもスマホでもマニュアルを作れる人気のソフトウェアです。
PCやスマホで撮った画像や動画を並べて、矢印や説明文を入力すればマニュアルが作れます。画面の操作を自動的に記録することも可能です。
また、作ったマニュアルはボタン一つでメンバーなどに公開することができます。

このようなマニュアル制作ソフトを使えば、従来のマニュアル作りの作業から解放されるうえに、直感的に見栄えのいいマニュアルを作ることができるのでとても便利です。
特に、説明文を読んでもピンとこないけれど画像や動画を見ればひと目で分かるようなものは、マニュアル制作ソフトでマニュアルを作ると効果的です。
特別な技術や知識がなくても自分でマニュアルを作れるわけですから、もう制作会社にマニュアル作りを頼まなくてもいいかもしれません。

マニュアル制作ソフトで本当に業務マニュアルを制作できるのか

では、マニュアル制作ソフトで本当に業務マニュアルは作れるでしょうか。

業務マニュアルとは、業務の手順や判断基準、ルールを説明する文書のことをいいます。システムの操作マニュアルも広い意味では業務マニュアルのひとつといえます。
現状の業務のやり方に全く問題がなく、誰がやっても一定のレベルでムリ・ムダ・誤りなく仕事ができている場合は、それをそのままマニュアルにすればいいのですが、現実にはそのようなことはまずないでしょう。
業務マニュアルを作るには、まず現状の業務がどのように行なわれているかを調べて、その業務は本当に必要なのか、手順に問題はないのか、本来はどのようにした方がいいか、といった視点で内容を整理した方がいい場合がほとんどだと思います。
マニュアル制作ソフトの出番はこの後です。
大変便利なマニュアル制作ソフトですが、マニュアルの内容を自動的に整理してはくれないので、今やっている業務のとおりにマニュアルを作ってしまうと、見た目はいいけれど分かりにくいマニュアルになってしまうおそれがあるのです。

どうやら、マニュアル制作ソフトを使って業務マニュアルを作ることはできても、マニュアル制作ソフトさえあれば分かりやすく使いやすい業務マニュアルを作れるとは言い切れないようですね。

では、せっかくのマニュアル制作ソフトをうまく使うにはどうすればいいのでしょうか。

マニュアル制作には材料と準備が大事

それには、やはりマニュアルを作る前にあらかじめ業務を整理し、材料を準備しておくことが大事なのではないかと思います。
たとえば以下のようなことをあらかじめ決めておきます。

  • どんな業務があるか(業務の棚卸し)
  • どこから始まりどこで終わるのか(起点と終点)
  • どんな流れで進めるのか(手順)
  • 何を見せるのか(画像、動画)
  • 何を説明するのか(説明文、注意点)

マニュアル制作ソフトでスムーズにマニュアルを作るためには、画像や動画はどのような場面をどのような大きさで載せるか、説明はどこにどのように書くか、といった細かいところまで決めておいた方がいいでしょう。

業務マニュアル制作に限らず操作マニュアルの制作も同じ

これは業務マニュアルに限らず操作マニュアルでも同じで、操作マニュアルの場合は特に画面のスクリーンショットを撮るタイミングをあらかじめ決めておけば、肝心の画面を撮り忘れてやり直し…なんてことになるのも防げます。
似たようなマニュアルをいくつも作る場合や、何人かで手分けしてマニュアルを作る場合に、できあがりにバラつきが出ないようにする利点もあります。

マニュアル制作ソフトは、業務を整理し、下準備をして初めて使えるものであることを理解したうえで、上手に活用してみてはいかがでしょうか。

  • rss
  • はてなブックマーク