使いやすい業務マニュアル制作の3つのポイント

使いやすい業務マニュアル制作の3つのポイント

業務マニュアルは、上手く活用すれば業務品質や生産性の向上などさまざまな効果をもたらしてくれますが、使いにくいと結局使わなくなってしまうことも多いものです。苦労して作っても使われなければ意味がありません。製品やサービスの操作マニュアルであれば、必ず正しい操作手順があるのでそれをいかに分かりやすく説明するかに重点を置いて作ればいいわけですが、業務マニュアルにはこれといって正解がないため、どう作ればいいか分からないという方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、使いやすい業務マニュアルを作るためのポイントを3つ紹介したいと思います。

1. 直感的に分かりやすく

業務マニュアルを最初から最後まで読む人はおそらくいません。最低限必要なところしか読んでもらえないと思って作る必要があります。そのため、誰にでも直感的に分かりやすく作ることが大切です。
具体的には以下のような対策があります。

  • 仕事の全体像を示す
  • どこを見ればいいか分かるよう見出しを付ける


仕事の全体像は業務フロー図でも一覧表でもいいのですが、どんな業務があるのか見渡せるようにすることが重要です。仕事の全体像が見えると、自分が担当する仕事の位置づけも分かります。
さらに、ひとつひとつの業務に「これは自分に必要な情報だ」と分かるような見出しを付けます。これは業務マニュアルが複数に分かれている場合も同じです。例えば、「お客様対応手順」「トラブル対応マニュアル」「お問い合わせ事例集」というマニュアルがあったらどうでしょう。お客様から問合せがあった時にどれを見ればいいのかとっさに分かりません。異なるマニュアルで内容を重複させないようにし、どこに何が載っているかひと目で分かるようにすることが重要です。

2. 説明は具体的に


業務マニュアルでは、仕事の目的や到達目標を示し、担当者のやる気を引き出すことが大切です。手順は書かれていても目的が書かれていないマニュアルが意外と多いものです。
担当者が仕事の重要性を理解できるよう、その仕事は何のためにやるのかを必ず書きましょう。また、やるとどんなメリットがあるのか、やらないとどんなデメリットがあるのかを書くのも効果的です。
到達目標は、いつまでに(期限)、何をどこまで(基準)できればOKなのかを具体的に示します。例えば、「在庫管理を適切に行う」と言われても、説明が曖昧でどうすればいいのか分かりません。「毎日9時に在庫を確認し、5個以下になっていたら11時までに20個発注する」というようにできる限り具体的に説明すると、担当者も作業しやすくなります。業務マニュアルを作ることによって、曖昧になっていた仕事のルールを明確にできるというメリットもあります。
また、業務マニュアルには仕事のコツや注意点、チェック項目、トラブル事例などもあわせて載せておくと、より具体的に仕事のイメージができ作業しやすくなります。

3. 文章は簡潔に


どんなに業務マニュアルの内容がよくても、文章が回りくどいと読んでもらえません。業務をやろうとする人は、業務マニュアルをひととおり読んでから作業するのではなく、読みながら作業するはずです。そこで文章を書くときは以下の点に気を付けましょう。

  • 一文を短く
  • 時系列に書く
  • 専門用語を使わない(使う場合は説明も書く)
  • 5W1H(When:いつ、Where:どこで、Who:誰が、What:何を、Why:なぜ、How:どのように)を明確に

料理のレシピが良い例です。業務の知識や経験がある人ほど主語が抜けたり、一部の人にしか分からない用語を使ったり、説明が長くなったりしがちなので、業務を初めてやる人の身になって書くことが大切です。

以上、使いやすい業務マニュアルを作るためのポイントを紹介しましたが、業務マニュアルは作ったら終わりではありません。業務に変更が生じたら、業務マニュアルも更新しましょう。その際、必ず業務マニュアルを更新して皆に伝えることが大切です。業務の変更点をメールや社内SNSなど業務マニュアル以外のツールで伝えてしまうと、その時はいいかもしれませんが、やがて業務マニュアルは古くなりミスも起きやすくなります。
そのためにも、業務マニュアルは誰にでも使えるツールでシンプルに作りましょう。作りに凝ってしまうと、ちょっとした修正にも手間がかかり、やがて更新しなくなってしまう恐れがあります。
業務マニュアルは使われて初めて価値が出ます。せっかく作るなら使いやすい業務マニュアルを目指して作ってみましょう。
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