電話対応(コールセンター)のマニュアル作成ポイント

電話対応(コールセンター)のマニュアル作成ポイント

コールセンターの責任者が知っておくべきTEL対応マニュアル作成の仕方

コールセンターを作るのであれば「TEL対応マニュアル」が絶対に欠かせません。
この対応マニュアルには企業としての規則やTELでの対応を記載して、これをオペレーター用の資料とするわけです。
では、このTEL対応マニュアル作成はどのようなことに注意して行うべきなのでしょうか。
今回は、コールセンターの責任者がTEL対応マニュアル作成をする際に気を付けるべきことについて解説していきます。

なぜコールセンターでTEL対応マニュアル作成をすべきなのか?

「新人なら分かるが、コールセンターで働いた経験がある人材だけを雇えば対応マニュアル作成はしなくてもいいのでは?」と感じるかもしれません。確かに経験者であれば「オペレーターとしての常識的な対応の仕方」はすでに身につけているでしょう。
しかし、何十年電話対応をしてきたベテランオペレーターの場合でも「可能か、不可能か」「企業ならではの考え方」「細かな規則」などまでは分かりません。
そうなるとオペレータ次第で対応が違ってきてしまい、企業の評判が悪くなったりクレームが入ったりしてしまう恐れがあります。
ですから、コールセンターでTEL対応マニュアル作成を行う最大の理由は「どのオペレーターでも対応が変わらないようにするため」だと言えます。

どのように電話対応マニュアル作成をすべきなのか?

では、具体的に対応マニュアル作成をすることを考えていきましょう。

最初に「人材の配分(休憩のタイミングなど)」を決定させましょう。
電話対応が全くできなくなりますから、コールセンターのスタッフが一斉に休憩を取るわけにはいきません。ですから、どういった順番で食事休憩を取るのかなどを厳密に定めてください。

それから「服装」に関してもしっかり決めるべきです。
「コールセンターのオペレーター」は、お客様と顔を合わせることはほとんどありません。
しかし、だからといって服装が完全に自由で良いかというとそれは微妙なところです。ですから、制服が存在するのであればそれについてきちんと記載しておきましょう。制服がないのであれば「服装の方針」などを書くようにしてください。

ちなみに、これらに関しては「書面」で全スタッフに配布しなければならないと労働基準法によって定められています。厚労省によって必須記載事項(賃金、労働時間など)が決められていますので、責任者はきちんとチェックしましょう。

「対応マニュアル」という言葉を使ってはきましたが、ここまでは「社内マニュアル(社内のルールについて説明した文書)」という表現の方が相応しいものです。
これとは別に「TEL対応についてのマニュアル」を準備する必要があります。

TEL対応マニュアル作成をする上での要点

では、TEL対応マニュアル作成をする上で気を付けるべきことは何でしょうか。以下に要点を挙げますので参考になさってください。

TEL対応の要点

最初に「TEL対応に関する基本知識」を分かりやすくまとめます。
これについては、コールセンターのスタッフはもちろん他の全社員(もしくはほとんどの社員)にも配布している会社が大半です。社員の誰が電話を取ったとしても失礼のない対応ができるように、年配の社員などにも改めて基本知識を確認してもらいましょう。

ほとんどの会社は「お電話ありがとうございます。○○でございます」といったものが最初のセリフになるでしょうが、これで企業の第一印象が決まると言っても過言ではありません。電話越しであっても笑顔を絶やさないようにしないと、相手に悪い印象を与えることになってしまうので気を付けてください。

それから話すスピードにも注意しましょう。聴き取りにくくなるので話し方が速過ぎるのはもちろんダメですが、過剰に遅いと相手をイライラさせることになります。
相手が喋る速度や気持ちなどを考えながら、ケースバイケースで話す速度を調整してください。また、重要事項(TEL番号)などを言う際は遅めに話すようにすると誤解がなくなります。

さらには、ほどよく「間」を作ったり、ですます調などしっかりとした語尾で話したりすることも意識してください。「間」が無さ過ぎたり、逆に「間」が長すぎたりすると相手を不安にさせたりイライラさせたりする可能性があるので気を付けてください。
また、ですます調にすることは大事ですが「~です!」などと語尾を強くすると、「嫌々電話に出ているのか?」「怖い」などと感じられてしまうかもしれないので、基本的に穏やかな口調や言い回しを保つようにしてください。

言葉使いに関して

これらは一見「敬語」のようではあるのですが、全部「おかしな敬語」です。伝わりはしますが、かえって失礼になるので気を付けましょう。

当社の○○社長は、今外出中です

「○○社長(その他の役職についても同様)」というのは敬称ですから、「自分の会社以外の人間と話すとき」に用いる言葉としては間違っています。ですから、特に新社会人の皆さんの場合は抵抗があるかもしれませんが、単に「○○は、今外出中です」と呼び捨てにしましょう。
もしくは「社長の○○は、今外出中です」などでも構いません。
ちなみに「当社」というのもそこまで不味い言い回しではありませんが、謙譲語の「弊社」の方がより適切です。

担当スタッフにお伺いください

あなた自身が他社の社員と話すときに「○○についてお伺いしてもよろしいでしょうか」という表現を使うことがあるように、この「伺う」というのは謙譲語ですから「相手の動作」に対して使うのはおかしいです。
「担当スタッフにお聞きください」と言うのが適切です。

おっしゃられた

「おっしゃる」も「られる」もどちらも敬語であり、違和感が非常に強いです。
「おっしゃった」と言うのが適切です。


また、適度に「大変申し訳ございませんが」「恐縮ですが」「お手数ですが」などの俗に言う「クッション言葉」も交えるようにしましょう。ただし、これも使い過ぎるとかえって失礼になるので注意してください。
それから「大変お世話になっております」などの挨拶は、コールセンターのオペレーターのみならず、全社員が使えるようにしておきましょう。

「電話を取る~電話を切る」までのフローを作成する

電話では色々なことを聞かれます。「トラブルがあったのでどうにかしてほしい」などのものから「何時まで営業していますか?」など軽い内容のものもあります。
業種や製品などによって多種多様なフローがありますが「電話を取る~電話を切る」までの対応マニュアル作成をしておくと、電話でアタフタすることがなくなります。

台本を作る

「電話でのよくあるやり取り」を記した台本のことをトークスクリプトと言います。
「担当者がいないときの表現」「相手の声が小さいときの対応」「相手を待たせるときの対応」「企業名の言い方」など、台本を状況ごとに準備しておきましょう。

共通して大事なのは

  • 相手に不快感を与えないようにする
  • とにかく礼儀正しく
  • 短く分かりやすく

といったところです。

ここまで、電話対応マニュアル作成における注意点について紹介しました。
疑問点・お困りごとなどがございましたら、ぜひクレストコンサルティングにお声がけください。

 

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