ユーザー目線のマニュアルとは?ユーザーの立場に立って行うマニュアル作成

ユーザー目線のマニュアルとは?ユーザーの立場に立って行うマニュアル作成

ユーザー目線とは

ユーザー目線でマニュアル作成をするべき、という事がマニュアル作成のコツやポイント、ノウハウなどに書かれている事がありますが、ユーザー目線とは一体何なのでしょう。
答えは単純で、ユーザー、つまりその商品を使う、そのマニュアルを使う人の目線という事です。

多くの場合、ユーザー(使い手)という言葉が使われている事もあり、商品の取扱説明書や使用方法などに関するマニュアル作成で、この「ユーザー目線」が重要になってくるわけです。これは取扱説明書などに限った事ではなく、アルバイトの接客マニュアルでも、会社内の業務マニュアルでも同じことが言えます。

要するに、ユーザー目線とは「読み手の目線の事なのです。

このユーザー目線を考えずに作られたマニュアルは、マニュアルとしての役割を全くといっても良いほど果たせない代物になってしまいます。
なぜなら、マニュアルは、読み手(ユーザー)が理解し、活用できて初めてマニュアルとしての存在意義を発揮するからです。

ユーザーの立場に立って行うマニュアル作成

さて、それではユーザー目線でマニュアル作成をするためには、どのような点に気を付けて、どのような手順でマニュアル作成を行えば良いのでしょうか。

気を付けたいポイントを4つにまとめました。

専門知識を有する者とユーザー、双方の目線で作成する

まず、大前提として、マニュアルの内容は正しいものでなければなりません。
誤った事象を掲載しないためにも、必ず専門的な知識や経験を有する者が作成に従事しましょう。ただし、それだけでは専門用語が多用されたり、ユーザーが何が分からないか、どのようなところで躓くか、どんなトラブルに見舞われる可能性があるか、といった点が見えてこなかったり、素人が読んだ時に非常に分かりづらい内容になってしまっていたり、といったリスクが発生します。
そのため、ユーザーの立場に立つ、読み手(ユーザー)と同等の知識レベルや技術レベルを持ち合わせた者もマニュアル作成に関わる事で、これらのリスクを回避し、ユーザー目線のマニュアルの作成が実現可能となります。

分かりやすく、読み手の知識や技能に寄り添った内容にする

前述した通りですが、専門用語の多用、説明の省略(専門家は「これくらい常識として分かるだろう」と判断)といった、読み手(ユーザー)の知識や技術への無考慮なことがマニュアル内で起こると、それはユーザー目線で作られていない「使えない」マニュアルとなってしまいます。
読み手(ユーザー)の知識や技能に寄り添うことがとても重要です。例えば読み手が一般消費者だった場合には、専門的な知識をひとつも持っていない素人でも理解できるよう、分かりやすく噛み砕いたマニュアル作成が必要となってきます。

まず、専門家たちがマニュアルのプロットを作成し、ユーザー層のチェッカーに依頼しチェックしてもらい、ここが分からないといった意見を吸い上げる事によって、より良いユーザー目線のマニュアル作成が可能となります。

見やすく、読みやすいレイアウトを意識する

ユーザー目線に立って作られた良いマニュアルは、内容だけでなくレイアウトもスッキリと見やすく、色や図を効果的に用いた読みやすいものになっています。

また、文字の大きさにも注意しましょう。
小さい文字がぎっしり詰まったマニュアルだと、いくら内容が良くても、目を通す気になりません。

そして章のタイトルを目立たせることにより、ユーザーが知りたい内容をすぐに見つける事ができるという利点があります。そのため、文字の大きさ、濃さ、図の挿入、色の効果的な使い方を意識して、見やすく、読みやすいマニュアル作成を心がけましょう。

目次や索引を工夫し「探しやすい」マニュアル作成を心がける

4つ目のポイントは、前回のコラムでも詳しくご紹介しましたが、「探しやすい」マニュアル作成です。これも、ユーザー目線のマニュアル作成において、外せない重要なポイントになります。

知りたい情報、欲しい情報をスムーズにマニュアル内で探すことができる、これが大切です。ユーザーがどのタイミングでマニュアルを読むのか、まずそこから想定して目次や索引を工夫しましょう。

電化製品などを例に挙げるならば、まずは購入直後に使い方を把握するため、マニュアルを読むでしょう。その際には「基本的な使い方」としてまとめたページだけに目を通せば、基本操作は掌握できるように工夫して作成します。
次に「こんな機能は無いのかな」と思ったタイミングでマニュアルを見る事でしょう。そういった場合に備えて、商品の性能・機能について説明したページをすぐに見つけられるよう、目次や索引に関連語句を入れるのがポイントです。
また、不具合が生じて「故障かな?」と思ったタイミングでも、やはりまずはマニュアルを開く事でしょう。これも想定して、故障に関する項目も忘れずに入れます。

このようにユーザーがどのようなタイミングで、どのような情報を求めてマニュアルを開くのか、想定、想像して、ユーザー目線のマニュアル作成に臨みましょう。

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